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Category: Japanese Culture 日本の文化
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続続・ものを書くこと
ブログがすっかりインターネットの世界でメジャーになったようだ。僕がブログを書き始めた1年半ほど前では、ブログはまだまだ一部の先進的なインターネットユーザが作っていただけで、ブログサイトも木村剛氏や松永英明氏などの大御所がほとんどだったのだが、今では、ちょっと個人サイトを作っていただけの人でも、流行りのようにブログを書くようになった。単なるWeb日記というものは昔からあったが、トラックバックによって他のブログと関連付けられる機能などが人気を集めたものと思われる。
それこそネコも杓子もブログを書くようになったのだが、ブロガーのライティングスキルにも個人差があり、中には何気なく書いたことで問題を起こしてしまうブログも散見されるようだ。
先月、コミケ会場近くでコミケ客相手にホットドッグなどを売るアメリカのNathan'sの日本フランチャイズ店でバイトしていた笹間某というお嬢さんが、コミケの入場者を写真に撮って自分のブログで「みんなオタ」「これがぶぁぁぁぁあっているの。恐い!きもい!」などとコメントしたり、コンビニに売られてる「もえるるぶ」(情報誌「るるぶ」の萌え情報版)を手にとった写真とともに「もえるるぶってどないやねん!きんもーっ☆中にはコスプレがあるとこなどが案内されてます。きもすぎです」などと書いていたところ、たまたま目に留まった読者らから猛反撃を受け、彼女を雇用していたNathan'sが
謝罪に乗り出す対応に追われるという騒ぎがあった。また、女性下着メーカー「トリンプ」の吉越浩一郎社長が、日経新聞連載中の男尊女卑エロオヤジ小説といわれる渡辺淳一「愛の流刑地」を絶賛し、渡辺氏に自社の下着のサンプルをプレゼントまでしていたことを自分のブログに書いたところ、「愛の流刑地」に批判的な女性陣を中心に吊るし上げに遭い、ブログ閉鎖に追い込まれてしまったという事件もあった。おそらく、書いた本人は深く考えずに自分の思ったことをそのまま書き散らしただけに違いない。しかし、ものを書くということは、本来とても難しい作業なのだ。素人の生兵法でブログに手を出すことは、大ヤケドのもとになる。
ブログを書こうとする人は、Rebbeca Blood著 yomoyomo訳「ウェブログ・ハンドブック」をまず読んだほうがよいだろう。この本についてはこのエントリーでも述べているが、個人でブログを書くときの非常に重要な助言や示唆がまとめられている。繰り返しになるが、ここでその内容を引用しておきたい。
この本でポイントとなっていたのは、「とにかく、自分の書きたいときに、書きたいものだけを書くこと」を強調していたことだろう。個人でブログを運営するときには、最初は自分が書きたいことを書いているのだが、だんだん読者が増え、固定客がつくようになってくると、そのうち自分の書きたいことよりも、読者に受ける内容を書かなければという強迫観念に取り付かれてしまい、いきおい大衆に迎合して自分を見失ってしまうことが往々にして起こる。そうなってしまうと、ブログを書く本来の楽しみが失われてしまい、一体誰のためにこんなことをしているのかわからなくなってしまう。これでは書き手も読み手も不幸だ。著者は、このように自分らしさを失ってしまったブロガーには、しばらく休養をとることを勧めている。休養をとったあと、再び〈書きたい〉という気持ちになったなら、そのときにまた復活すればよい。ブログとは、不特定多数を楽しませるためではなく、1人のオーディエンス、つまり書き手自身に向けて書くべきであると主張している。
もう一つ忘れてならないこととして指摘されていたのが、「ブログに一旦書いたことは、あとから訂正がきかない」ということ。確かにブログツールの編集機能を使えばあとから修正することはできる。しかし、修正するまでの間にサーチロボットにキャッシュされてしまえば編集前のテキストがどこかに残ってしまうし、第一、書いた内容を、あとから事情が変わったからといって、その履歴を残すことなく簡単に修正したり、削除して最初からなかったことのようにできてしまうようでは、媒体としての健全性に欠けるではないか。ブログに一旦書いた内容を修正するときは、リライトしたり削除したりするのではなく、追記という形で補足するのが正しい使い方である、というのである。これは独りブログに限らず、ウェブサイト全般にいえることなのだが、ひとたび発言するからにはその内容には最後まで責任をもつべきである、という著者の主張は、首肯せざるを得ないものがあった。また、この本には、ブログに書くにあたっての注意も書かれている。特に仕事をしている人や、職探しをしようとする人は、一時の感情で、汚い言葉を使ったり侮辱的な表現で他者を罵るようなエントリを書かないことだ。その時は気が済んでも、将来、その文章が人事担当者の目に留まり、人間性を評価されて不利益を受けることも考えられるからだ。現に、Googleやデルタ航空では、社員が自分の書いたブログがもとで解雇されることも起こっている。
それ以外にも、自分が過去に書いた内容のために、重大な損失をこうむることもある。たとえば、ライブドアの堀江社長の態度が気に入らないという人が、「ホリエモン氏ね」などとブログに書いたとする。あとで、その人の勤める会社がライブドアと協業する案件が持ち上がったとき、「弊社の人間に『氏ね』などと言っている社員がいる御社とは、一緒に仕事できませんね」なんて言われて、大型案件を失注してしまうこともあるかもしれない。そうなったとき、「ホリエモン氏ね」と書いた人は、責任が取れるのか。
ものを書くということは、そこまで責任を負うということなのである。
かくいう僕も、このブログを書くときは、いろいろ気を遣っているつもりだ。僕自身、ブログを書くときに心がけていることは、以下の3点だ。
(1) 読んでいる人の身になって
読む人が不快にならないよう表現に気を遣うことはもちろんだが、内輪ウケ的な内容にならないよう、状況の詳細な説明を加えて、初めて読む方や内部事情を知らない第三者の方でもフラストレーションを感じずに読み進められるように心がけている。
(2) 会社や仕事の出来事については書かない
最近、会社ではセキュリティに関する意識が高まってきているということもあるので、勤務先の情報はもちろん、業務内容の詳細についても、機密事項に触れる可能性もあるし、ニュースリリースに出ているもの以外は、書かないようにしている。
あんまり仕事関係のテクニカルな内容のネタだと喜んで突っ込んでくる人が周りにいっぱいいるから、というのもあるけど(爆)
よっぽどおもしろいネタがあったら書くかもしれないが。
(3) 雑誌のコラムを連載しているつもりで
つまらない内容のコラムを書いているコラムニストは、即仕事を打ち切られ、そのうち干されてしまう。僕は決してプロのライターではないが、公の場に出す文章に、プロもアマチュアもないと思っている。一つのネタを取り上げるにしても、商業作家のコラムにもひけをとらないレベルにまで料理できれば嬉しい。これはなかなかできていないが……。無名の個人でも自分の意見を堂々と表明できるのがインターネットの大きな利点なのだが、言うまでもなく、自分の意見を出すからには、それが及ぼす結果についても、自分で責任を負わなければならない。それができない人は、お手軽にブログなど作るべきではないのである。
最後に、ブログ女王・眞鍋かをりさんの言葉を引用したい。
読んだ人が傷ついたりしないように、とか、読む人のことを必ず意識して書いています。それは読まれるために必要なこと。"読まれるブログ"と"読まれないブログ"の差が出てくるのは、そういうところに理由があるのだと思います。
【関連サイト】
「オタ」「きもい」──スタッフのブログ発言、企業を巻き込む騒動に
EFF、ブログでクビにならないためのガイドラインを発表(CNET Japan)
コミケでhotdogを売ったホクロが客をオタと呼びキモイとblogにかいた
トリンプ -
紀宮さま 結婚式は11月15日
紀宮さま11月15日に挙式 両陛下が出席へ
天皇家の長女紀宮さま(36)と東京都職員の黒田慶樹さん(40)の結婚式が11月15日に東京都千代田区の帝国ホテルで行われることが決まった。宮内庁が18日、発表した。
天皇、皇后両陛下も出席される。当日は大安の火曜日。
(共同通信) – 5月18日帝国ホテルは会社のすぐ近くなんだが、当日、すごい警備なんだろうなー。いつもの通勤ルートが閉鎖されて、うんと遠回りさせられたりして。
天皇家の女性皇族が結婚するのは、昭和天皇の五女で島津久永さんと1960年に結婚した貴子さん以来、45年ぶり。
結婚式は2人の意向で神前式で行う。両陛下は式と披露宴の両方に出席する見通し。これまでの女性皇族の例と違い、仲人を立てないという。紀宮さまは簡略化した十二単(ひとえ)を羽織って挙式に臨む。
新居は皇居への近さや、防犯面などを考慮して都心のマンションを選定中。
(共同通信) – 5月18日都心のマンションって、どこだろう……。もしかして、六本木ヒルズ? ホリエモンの家の隣の部屋だったりしてw。
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JRクオリティ2~尼崎福知山線脱線事故~
これはアムトラックの話でも、上海の鉄道の話でも、インドの列車の話でもない。世界一安全と言われている日本のJRの事故である。
4月25日朝、尼崎のJR福知山線(宝塚線)上り快速電車で発生した脱線・マンション激突事故は、今日現在で死者70名以上を出すという、生まれてこのかた見たこともなかった大惨事となった。実家の近くの身近な路線で起こった事故だけに、僕にとって非常に関心が強く、ずっとネットのニュースに首ったけだった。もちろん世界的にも注目されるニュースで、どこの国でも主要紙ではトップニュース扱いになって報道されていた。
たまたま仕事の都合でいつもより遅めの電車に乗ったために命を落としたサラリーマン、初めての海外旅行で関西空港へ向かう途中に奇禍に遭った25歳の女性、婚約者に会いに行こうとして亡くなった男性……その無念さには言葉もない。
事故から1日経って、いろんなことがわかってきた。事故を起こした電車を運転していたのは23歳の若い運転士で、運転士としての乗務経験が11ヶ月だったという。11ヶ月というのが経験不足なのかどうかは知らないが、彼は過去にオーバーランなどで3度の処分歴があったのだそうだ。今回の事故の直前に、停車駅であるはずの伊丹駅で停車し損ねてオーバーランし、バックしてしまったためにダイヤが乱れてしまい、その遅れを取り戻すためにスピードを上げ過ぎ、制限時速70km/hだった事故現場のカーブを100km/h以上の速度で通過しようとしたともいわれる。
そして、あろうことか、伊丹駅でのオーバーランが実際には40mにわたったにもかかわらず、運転士の要請で、車掌は列車指令に対し、オーバーランは8mだったと虚偽の報告をしたのだという。
もちろんこのような嘘の報告が許されようはずはないが、こんなことをしなければいけなかったということから考えるに、たぶん、JR西日本は日頃から乗務員を減点法で評価して、いろんな面で圧力をかけてたのと違うかな。
運行ダイヤは何よりも大事なもので、遅延させるということは絶対に許されないという空気が、社内にあったといわれる。一説によると、遅延を発生させると、あとで呼ばれて吊るし上げを食らい、ひどい場合には乗務停止となり研修センター送りになってしまうのだという。一事が万事で、ここの会社は、乗務員のちょっとしたミスを指摘してあげつらい、ペナルティを科す。それがため乗務員は萎縮してしまっていたのではないか。
人間、鞭ばかり叩かれていると、次第に鞭を避ける方向へ向かうようになる。つまり、失敗を隠す方向に走るのだ。そのために、運転士はオーバーランによる遅延(という失敗)を少しでも帳消しにしようとして無理な回復運転をし、車掌は運転士の大きなミスを少しでも軽くするために嘘の報告をするようになってしまったのではないかという見方がある。
時間に異常なまでに几帳面な日本人の性格もこれに拍車をかけたと思われる。数十分の遅れなど当たり前の欧米の鉄道に比べ、日本の鉄道は世界一正確で、少しでも遅れると乗客はこれを許さず、駅員にギャアギャア詰め寄る光景がみられたりする。東京近辺ではさすがにラッシュ時の数分の遅延ぐらいは大目に見られているが、他の路線では10秒単位のダイヤの乱れでも乗客は不安がり、鉄道会社に怒りをぶつけたりする。わずかな遅れも許さない、こうした日本人の時間への潔癖さ、ゆとりの希薄さが、現場を追い詰め、その歪みが今回の事故となって露呈したという見方もできる。
阪神間の鉄道のスピード競争も、事故の誘発原因の一つだ。私鉄が並行して何本も走る阪神間では、私鉄より運賃の高いJRが競争に勝つためには、他社よりもスピードを出し、時間の速さで勝負するしかない。スピード戦略のおかげで阪神間のJR(特に新快速)の速さは他社の追随を許さないものとなっているが、そのために安全面が犠牲になっているのだとしたら、本末転倒だ。
いずれにしても、真相がわかるのはもう少し先になりそうだ。今はただ、犠牲者の冥福と生存者の早期救出を祈りたい。
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JRクオリティ~京浜東北線トラブル~
今シーズンは風邪やインフルエンザからなんとか逃げ切れたと油断していたら、今週に入ってとうとう風邪をひいてしまった。胃腸にくる風邪のようで、3月23日には酷いときには2時間おきに催してしまう状態だった。このときに、もし京浜東北線になど乗っていようものなら、人生最後の阿鼻叫喚の惨劇に遭遇していたことだろう。
京浜東北線:停電で5000人が車内に 正午前に運行再開
23日午前9時25分ごろ、東京都大田区のJR京浜東北線蒲田-大森駅間の架線が停電し、蒲田駅から約500メートル付近を走っていた大船発南浦和行き北行電車(10両、乗客約1000人)が停車、自力走行が不可能となった。JR東日本は同線の大船-大宮駅間全線で南北行き電車の運転を見合わせ、関係各会社線に振り替え輸送を実施した。他にも付近を走っていた4本が立ち往生し、一時は計約5000人が車内に閉じ込められた。他の4本はまもなく最寄りの駅に着いたが、自力走行が不可能となった電車は別の車両を連結して動かし、午前11時50分過ぎに蒲田駅に到着した。この電車に乗っていた約1000人は、2時間半にわたり車両内に閉じこめられた。同線は同11時59分に全線の運行を再開したが、24本が運休、38本が遅れ、約6万5000人に影響が出た。
同社は、この電車の3号車の電気系統にトラブルが生じたとみて、原因を調べている。
警視庁大森署によると、閉じ込められた乗客のうち男女約20人が「気分が悪い」と訴え、車掌室から線路上に降りた。23~47歳の女性6人が救急車で病院に搬送された。蒲田駅到着後も22~48歳の男性4人、女性6人の乗客が気分の悪さを訴え、病院に運ばれた。
立ち往生した電車内は室内灯が消え、空調も止まった。川崎市幸区のパート従業員、小島和子さん(55)は「とにかく中の温度が上がって、これ以上耐えられないギリギリの状態だった。車両が止まる2~3分前にガクッとする感じがして、止まった。とにかく疲れました」と話す。5歳の長男と先頭車両に乗っていた横浜市鶴見区の主婦、藤井理恵子さん(40)は「蒸し暑かった。運転席の窓を開けてもらい、空気が入るようになって助かった。同じ車両に気分が悪いという人が2人いて、その人を空気が入る場所に移すなど助け合った」と座り込んで話した。乗客によると、「ボン」という音がした後、3両目のヒューズボックス付近から煙が出たという。(毎日新聞記事)大事なお客様を2時間半も閉じ込めておくっていうのは、さすがJRのやりそうなことだ。今までも何かトラブルがあるたびに機外停車(駅と駅の間に電車を停車させておくこと)→閉じ込め放置は当たり前の措置だったんだが、エアコンの止まった電車の中のお客がどんな思いをしているかとか、そういうことには考えが及ばないんだろうな~。運転手や車掌は、そういう現場から一番近い位置にいたはずなのに、いったい何をしてたんだろう。30分動かないと分かった時点で乗客を下ろして安全な場所に誘導するとか、それが無理でもせめてドアぐらい開放するとか、なんかできなかったのかね~。そういうことを指令の指示なしに勝手にやっちゃうと服務規程違反にでもなっちゃうんだろうか。
JR側のコメントとしては、「併走する東海道線を止めたくなかったので、乗客を下ろせなかった」ということらしいが、乗客の安全よりも運行管理のほうが大事ですか、そうですか。乗客は所詮貨物と同じ、という体質、それがJRクオリティ。
東海道線を止めなかったからといって、京浜東北線が止まっている以上、京浜東北線に乗って東京~横浜間を移動するはずだった乗客は東海道線に流れるはずだから、東海道線にもどうせ影響が及ぶことは間違いないんだし、ここで東海道線を30分ぐらい止めてダイヤを乱したところで、東海道線が乱れるという点では止めなかった時とそう変わらないんだから、いっそのこと止めちゃって、30分で乗客全員を外に誘導して蒲田まで歩かせるとかすればよかったのにと思うんだが。
それにしても、窓の開かない車両というのが、また乗客を舐めきった仕様だ。今回の京浜東北線で使われている209系という車両は、コスト削減のために窓を固定にして、開閉できないようになっている。以前、同じ京浜東北線で、窓の開かない電車で車両火災が発生して、乗客は逃げられずに106人が亡くなった事故があったというのに。オウム真理教のサリン事件実行犯は、地下鉄などを狙うよりも京浜東北線内でサリンをぶちまいたほうが、より多くの人を殺せたかもしれない。
そんな密閉車両で、だんだん酸欠状態になっていき、呼吸困難や脱水症状などで16人が病院に搬送された。あと30分遅ければ生命にかかわる状態だった人もいたという。これが夏場なら、パチンコに行った親を炎天下の自動車の中で待っている幼児のようになっていたことだろう。
JRは、このトラブルで3つの大きな過ちを犯した。1つ目はもちろん車両故障を起こしたことそのものだ。2つ目は、指令・乗務員・駅員の(相変わらずの)不手際によって乗客を閉じ込め、ろくに情報も与えず(現在の情況、途中経過、復旧までの時間見込みなどを一切乗客に知らせずただ「絶対に外に出ないで下さい」と繰り返すばかりだったという)乗客を不安にさせ、出さなくていい病人まで出してしまったこと。そしてもう1つは、JRが過去に数多く経験した人身事故・車両故障・信号故障などのトラブル時の対応から何も学んでいないことである。
その点、私鉄などは、そういったトラブル時のマニュアルは整備されていて、ひとたび事故が起こっても迅速に動いて復旧できるようになっているそうだ(西武線などは、事故・故障時のみならず、「渡辺美里のアンコールが入った時」用のマニュアルまであるという)。旧国鉄であるJRは、業務改善をやる気がないのか、そういったマニュアルが整備されていないようで、トラブルが起こるたびに同じように右往左往して場当たり的に対処し、その結果乗客にしわ寄せが来ることになる。今回のトラブルにしても、そこから得た教訓は、さしずめ「2時間半ぐらいなら乗客を閉じ込めといても大丈夫」といったところではないか。
それにしても、2時間半も蒸し風呂の中に"監禁"されて我慢しているというのも、いかにも日本人らしい。他の国の人間なら、1時間も缶詰にされていたら、さっさと窓をブチ破って外になだれ出て暴徒になってることだろう。日本の乗客がおとなしいことに甘えているのか、「外に出るな」だの「ドアを開けるな」だのと乗務員は言う。かといって乗客を安心させることもしないし、適切かつ迅速な誘導もできない。JRには、そういうことはできないのである。そういうことは期待しないで、30分も機外停車で閉じ込められたら、かまわないので非常コックでドアを開けて外に出ればいい。その分復旧が遅れて他の人に迷惑だって? その人も一緒に出れば迷惑にならないじゃないか。必死で動いてるJRの職員に迷惑? もとはといえばテメエラのほうがもっと迷惑かけてるだろうが。
仮に迷惑だったとしても、あとで「ゴメン」と謝れば済む範囲の迷惑だ。JRなんか、16人も病院送りにした上に、6万5000人に迷惑をかけておいて、「ゴメン」で済ませようとしてるんだ。
「一部の勝手がみんなの迷惑」と訴える、全体主義がお好きな人は、どうぞ逃げずにそのまま残って結構。でも、誰もマトモに助けが期待できない状況下で、自分の頭を使って自分の身を守る行動をとった人を、責める筋合いはないからね。
みだりに外に出ると危険? 子供じゃあるまいし、電車が走ってくるかもしれない線路の上を歩いて逃げるなんてバカな真似をするわけない。どこが安全で、どこがそうでないか、大人なんだから自己責任で判断するはずだ(それができないDQNも少なからずいることが問題なのだが)。
復旧が遅れる? 1時間か2時間、遅れるか早まるかの違いだけだ。今のJRの対応ぶりを見ていると、どっちにしたって、その日1日はダイヤが狂う。
腹痛で漏れそうなのを我慢したり、気分が悪くて倒れるまで蒸し風呂の中でおとなしく耐える必要など、これっぽっちもない。外にも出してくれず、ドアも窓も開けてくれないなら、みんなで乗務員室に駆け込んで、いっせいに中に汚物を噴射してやれば、少しは対応も変わるかもしれない。
(参考)缶詰の中の人の体験記
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日本語のローマ字表記
【2021.11.12】
noteに転載しました。
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パスポートの要らない韓国
日本国内に、韓国と呼ばれる場所がある。韓国→大韓民国→大ハン民国→大阪民国、つまり、大阪のことである。事実、大阪近辺には在日コリアンも多いし、大阪の地域性も朝鮮半島のそれによく似ていると言われているのが、日本の中の韓国と呼ばれる所以だ。
その大阪のとある焼肉屋に大学のサークルのOBたちが集まって新年会を開いた。年齢層も職業もばらばらで一種の「異業種交流会」の様相を呈していたのだが、まあ雑談に興じるというのが本来の目的といったところだろう。
僕が座っていたテーブルには教員や学校事務関係の人たちがおり、その人たちの話に耳を傾ける。いわゆる大阪近辺のDQN校といわれる中学校で、学級崩壊の凄まじさを教育現場の目から訴えていた。ワルの限りを尽くす生徒たち。注意すると反抗するばかりか、暴力まで振るってくる。教員側は手を出すことはもちろん、生徒の暴力行為を防ぐことさえ、下手をすればそのDQNの保護者による糾弾の対象となるので、何もすることができない。生徒は相手が何もできないことを知った上で、さらに輪をかけて舐めてかかってくる。
「最近『ゆとり教育』がどうのこうの問題になっているけど、こっちはそれどころの話じゃない。中央のお役人が学校に視察したりするけど、あんなのみんな『上位校』に行って適当に上辺を見て回ってるだけ。もっと現場を見てから議論せえっちゅーねん!」と息巻いていた。
森だけでなく、木を見ることの大切さを痛感した次第である。
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THOUGHTS & URLS: とりあえず・・・明日香
昨日とは打って変わって好天にめぐまれたので、明日香をドライブしてみる。
クルマでしかなかなか行けないところに行ってみようと思って、談山神社か南渕請安の墓にでも行こうと石舞台古墳から奥に走っていったんだけど、「明日香レンタサイクル」の軽トラの分際でソアラを煽るなー!!(`Д´)ノ結局その軽トラは適当なところでやり過ごしたんだけど、かなり奥のほうまで行ってしまい、そのまま道なりに進んでいくと、車1台ぐらいしか通れないような狭い道に迷い込み、気がついたら峠を越えて吉野まで出てしまっていたヽ(;´Д`)ノ
しょうがないので大和上市駅で国道に出て、吉野川を左手に見ながら明日香方面まで戻っていった。
時間があまりないので、そのまま橿原を抜け、十市町を通って郡山から西名阪に乗って名古屋方面に向かった。
名阪国道で関まで行き、そのまま東名阪に乗っちゃおうかと思ってたんだけど、伊賀のICのところで滋賀の水口に抜ける道に出ることをハケーン! どうせなら土山の垂水頓宮でも見に行こうと思って、伊賀で名阪国道を降りて水口に向かうことにした。
それにしても、全国のドライブマップを家に置き忘れてきたのが失敗だった。水口の町に入ると、国道1号線にどうやって出ればいいかわからない。しょうがないので適当に走り、迷いながらなんとか国道1号線に出たと思ったら、なんと土山とは反対方向に向かって走っていたりしたヽ(;´Д`)ノ
そんなこんなでようやく正しい方向を知り、土山に入る。
見通しの良い国道沿いの茶畑の真ん中にそこだけ取り残されたようにうっそうと茂った森があり、その中に垂水頓宮がある。注意して走ってないと行き過ぎてしまいそうだ。
実際に1度行き過ぎてしまい、もう1度戻って中に入ろうとすると、次の日曜日に行われる「あいの土山斎王群行」の着付け会場に設定されているようで、頓宮の中を見ることはできなかった。残念;
午後2時になり、そろそろ帰らないとやばいので、そのまま土山をあとにして、1号線で鈴鹿峠を抜けて亀山へ。
土山から亀山はわりと近くて、15分ぐらいで東名阪に乗ることができた。
途中、御在所のSAで休憩&給油。
そこのスタンドの店員、漏れの車を見ると聞こえよがしに「バブリーな車やなー」と言い放ち、水抜き剤やら何やらを売りつけようとするわ、ATFが汚れていると言って交換をすすめてくるわで、もうさんざん。
別に漏れの車にどんな感想持とうが勝手だけどさー・・・少なくとも客の聞こえる前で、客のクルマをけなすような言い方するのは、プロのすることじゃないよね。
東名阪で名古屋まで行き、そこから東名に乗る。
富士川SAで休憩。そこから見えた、夕日に照らされた鮮やかな富士山は、旅の最後を彩るにふさわしい、美しいものだった。
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THOUGHTS & URLS: 万葉の歌垣
津を出て、一志に向かう。
とことめの里一志でマターリ温泉にでもつかろうかと思ったけど、あんまり時間もなかったので温泉はやめて、一志町立図書館へ。
「一志町史」を見ると、十市皇女の記述があったので、コピーを頼む。
一志から国道165号を西に行き、名張の夏見廃寺へ。
ここは公園として整備されており、史料館のようなものがあったが、史料館はあいにく休館日だったので、仕方なく寺の遺構だけ見て飛鳥へ向かう。
名張を出るころにはぱらぱら雨が降り出し、飛鳥につくころにはすっかり雨脚も強くなってきた。これじゃ外を歩き回るわけにもいかんなーということで、最近できた県立万葉文化館の中に入る。
ここは万葉ミュージアムともよばれ、飛鳥池遺跡の上に建物を作る形になっているので、遺跡を保存する団体から反対運動がわきおこり、それを押し切る形で強引に建設が進められた経緯がある。
1階と地階に展示場があり、1階の入り口から入ると、日本画の特別展示がある。
日本画家が万葉ゆかりの人物や風景を絵に描き、万葉歌がそえられている。
十市皇女を題材にした作品も2点ばかりあった。
地階の展示室は、万葉時代の人々の風俗や歌の習慣について、立体模型ありTVゲームあり映像展示あり劇場あり、ありとあらゆるメディアを使って解説がなされている。
斎宮歴史博物館にもあったマジックビジョンもあり、漏れの後ろで眺めていた初老の団体が「うまいことできてるもんやなー」と感歎の声をあげていた。
斎宮歴史博物館もおもしろかったけど、ここは金のかけ方も気合の入り方も全然違う。
一番印象に残ったのは、「歌垣」の習慣。
古代には、若い男女が集まって歌を詠み掛け合うことによって、結婚相手を探す集まりがあったとのこと。
現代の日本ではすっかりすたれてしまったが、中国の少数民族の間などでは依然としてこういう習慣が残っているそうで、中国の歌垣の模様をビデオで解説していた。
この日の宿は、橿原ロイヤルホテル。
とてもゴージャスなシティホテルだったけど、コーポレートレートで1泊素泊まり5000円で済むのがありがたいっす。