Category: Yuki’s Diary 日記

  • 新界放浪

    Tseng Wan
    新界の西の玄関口、荃灣の街並み。
    MTRの荃灣線で、終点の荃灣で降り、九廣西鐵の荃灣西駅までそぞろ歩きしてみた。もうここまで来ると日本人など一人も見当たらない。店に入ると店員も僕のことを現地人だと思って広東語で話しかけてくる。
    Denise Ho JUSCO at Tseng Wan
    ちょっと大き目のショッピングモール。人だかりがするので見てみると、地元の歌手らしき人のサイン会をやっていた。誰だかよくわからんけど。
    荃灣西からKCRに乗り、終点の屯門めざして電車に乗ってみる。昔ながらの中国の街並みが見え隠れする。下の写真は新界北西部の元朗付近のもの。はるか向こうには中華人民共和国の領土らしきビル群が見える。
    Shenzhen over there
    終点・屯門。時間があまりないので周辺の散策はせず、駅前の写真を撮るにとどめる。
    Tuen Mun Tuen Mun
    屯門からLRT(輕便鐵路)という路面電車のような電車で元朗まで引き返す。
    LRT
    途中の停留所から人が乗ってくる。杖をついたおばあちゃんに席を譲る女子学生。ちょっとだけ、地元民の生活を垣間見たひとときだった。
    LRT streetcars LRT Hung Shui Kiu stop

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  • 香港大仏

    The Big Buddha
    去年の訪港の際には時間がなくて見られなかった大仏を、リベンジということで見てきた。
    露天の座仏としては世界最大規模で、ランタウ島中西部の昂坪(ゴンピン)というところにある寶蓮寺(ポーリン寺)という禅寺の離れに、天壇大佛として鎮座ましましている。
    梅窩から昂坪行きのバスに乗る。野牛がのそのそ歩き牛糞がところどころ落ちているガタガタした道をひたすら昇っていく。
    Prison in Lantau Island
    途中に見えた刑務所。すぐ目の前が海、背面が崖では脱獄は困難だ。運動場では受刑者たちがサッカーをしているのが見えた。
    40分ほど走ると、昂坪バスターミナルに着いた。
    Po Lin Monestary
    島の中なのに非常に標高が高く、暑い香港の中でもこのあたりは涼しい。
    バスを降りると、すぐのところに寶蓮寺の山門があり、その反対側に天壇大佛がある。
    The Big Buddha
    ごらんの通り、200段以上もある石段を登っていかなくてはならない。地元の人も外国人もみんなヒィヒィ言いながら登っていってたが、僕にとってはそれほどきつくなかったように思う。まだまだ若いということにしておこう。
    大仏の基壇は3階建てになっていて、中は展示館になっている。1階部分は誰でも自由に出入り可能だが、2階と3階は入口で食事券を買っている人しか入ることはできない。食事とは寶蓮寺で出される精進料理のことで、60HK$(約900円)で食事券を買うと、それが展示館の2階3階部分の入場券も兼ねる形になっている。
    展示館の1階は、ぐるりと1周まわることができるようになっていて、釈迦の生涯を絵とともに英語と広東語で紹介している。僕も釈迦の生涯なんて知らないことだらけだったので、この解説だけでも十分勉強になった。
    近くにはミュージアムショップがあった。お菓子でも売ってたら会社への土産に買っていこうと思ったけど、売ってるのは大仏のミニチュア像とか数珠とかお守りとかばっかりだったので、とりあえず数珠を記念に買った。これから冠婚葬祭などで使うかもしれないし。
    有料の2階3階部分へ行くには、1階の受付で前述の食事券を提示する。「No pictureだからね」と念を押される。ここから先は写真撮影禁止となっている。
    2階に上がると、釈迦を頂点に、それに従う百仏を描いた絵が一面に展示されていたり、仏教をテーマにした水墨画、山水画などが飾られている。そして、案内板に、「仏舎利(舎利子)とは何か?」ということで、英語と広東語で仏舎利の説明が書いてある。仏舎利とは、釈迦の火葬後、その骨を砕いて諸国諸寺へ広められたものであり、非常に貴重で有難いものとして近隣諸国の寺院に保存されているものである。そのような仏舎利が、ここにも安置されており、案内板に続く階段で3階部分に上がると、そこにきらびやかに飾られて、観光客の目玉として拝観できるようになっているのである。
    石段を降り、隣の寶蓮寺に入る。
    Po Lin Monestary
    本堂の左側の脇に、精進料理を出してくれるところがある。さきほど買った食事券を入口で示して中に入ると、料理が出てくる。
    Vegetarian food restaurant
    食事を終え、堂内を散策してみることにする。
    Po Lin Monestary directory
    お寺とはいっても、人々のお参りの仕方は中国式で、両手を合わせて3回お辞儀している人や、ひざまずいて拝礼する人もいる。ひざまずけるように拝殿の前に膝をつけるクッションが用意されている。お参りするときは老いも若きもみな真剣そのもの。ちなみにこちらの寺院では「賽銭箱」ではなく「香油箱」と書かれていて、英語では「donation box(寄付箱)」となっているようだ。
    Sanctuary and donation box
    Main hall
    寶蓮寺のメインとなる場所である、「大雄宝殿」。上の階では僧たちが法会中で、読経の声が響き渡る。
    Monks holding a ritual
    下層階は、拝殿がいくつかあるほか、このような展示物があり、ブツマニア(?)垂涎のスペースである。
    Ornaments in Po Lin Monestary
    旅行に出かける前に「香港で大仏を見に行ってくる」と言うと「香港に大仏?」と怪訝そうな反応を示す人が多かった。ここを知る日本人はあまりいないらしく、参拝者のほとんどが地元の人か、金髪の欧米人だった。このような仏教のお寺にでも、欧米人が何の違和感もなく溶け込んでいる。日本だと、京都や奈良のお寺に行く欧米人はいても、彼らは「ガイジン」として特別な目でみられがちだが、ここでは洋の東西にかかわりなく、一人の旅行者として扱われているというのが、とても新鮮に思えた。

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  • 車公廟へ詣でる~香港バタフライ発見~

    Che Kung Miu Temple
    地元の人々を疫病から救ったといわれる伝説の将軍・車公をまつった車公廟。KCR(九廣鐵路)の大圍駅から馬鞍山鐵路に乗り換えて1駅。そこで降りて車公廟路という大通りを大圍方面に5分ほど歩くとすぐ見えてくる。
    入口から入ろうとすると、線香などを売っている屋台のおばさんが声をかけてくる。参拝セット1式80HK$(約1200円)とのこと。まあせっかくお参りするんだから買っていくかと思い金を払うと、ぶっとい線香が何本もと、「香油」という油の入ったペットボトルを2本、渡された。こんなにいっぱいどっさり渡されてもどうすればいいのかと途方に暮れていると、中にいた係のお兄さんが寄ってきて、英語でお参りの仕方を教えてくれた。まず、線香を入れている赤い袋から線香を取り出して、袋の裏側を示し、「ここに名前と、願い事を書いて」と言われた。とりあえず名前と、「let me make money」とか適当に願い事を書いてお兄さんに渡すと、お兄さん苦笑いしていた。その間に別の人が僕の線香に火をつけてくれ、その線香を持って、「come here」と言って正面の大きな線香立てに連れて行かれた。
    線香立てから拝殿に向かって、「こうして、線香を手で前に持ちながら、3回お辞儀して拝礼する。終わったら、その線香を線香立てに立てる」ということなので、言われたとおり拝礼して、線香を立てた。終わると、また「come here」と言われ、今度は細い線香の束を渡された。
    「今度はこの線香を、あそこにある線香立てに3本ずつ立てていって」と、別に何台か置いてある線香立てに案内された。もう何がなんだかわからないまま言われたとおりに動いていたので、どうやってお参りしたかよく覚えていない。
    Che Kung Miu Temple
    拝殿。中に入ると、3回廻すと運命を変えられるといわれる風車が何台か置いてあった。金運を好転させることを願いながら、ゆっくりと3回廻した。
    車公廟を出て、河原に沿ってしばらく歩くと、大圍駅前に出た。
    Tai Wai
    香港特有の、ぼろぼろの建物に囲まれた街並みだが、人通りは多く、けっこう繁華なところである。しばらくうろうろしたあと、駅からKCRに乗って都心に向かうことにした。
    駅のホームで電車を待っていると、蝶が一羽舞っているのが見えた。
    これって、ひょっとして「香港バタフライ」ではないだろうか。角川Web映画で、見た人に奇跡をもたらすといわれている蝶。映画では5年住んでも見られないと言っていたが、こんなにすぐに見られるなんて! これはきっと車公廟さんにお参りしたご利益に違いない。
    自分の生活に奇跡が起きることを祈りながら、帰路についたのだった……。

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  • 梅窩の朝

    Silvermine Beach
    シルバーマインビーチの夜明けがまぶしい。
    朝の散歩がてら、梅窩の街を散策してみた。
    Mui Wo city centre
    ホテルの裏手から5分ほど歩くと、梅窩の中心地に出る。とはいっても公民館のような役場があって、そこを中心に商店街のようなものが一つの通りに広がっているだけのごくシンプルなものだ。だが人々は朝からそこに集い、食堂のようなところでまったりやっていて、とてものどかな雰囲気だ。犬が鎖もつけないでそのあたりをうろうろ歩いているのだけは閉口したが。
    Mui Wo
    手押し車を押しながらゆっくりと通りを歩くおばあちゃん。近くの軒先では豚を2頭解体中。その隣ではダックを丸焼きにして吊るして売っている。その向かいは役場。ここではもう何でもあり。
    Mui Wo
    メインの通りを抜けると、雄大な山々をバックにしたゆったりとした空間が広がる。ちょうど通学時間帯だったので、小学校へ向かう子供たちが仲良く歩いていた。

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  • 美國聯合航空 往香港

    遅めの夏休みということで、今年も去年と同様、香港に行く事にした。去年、時間がなくて世界最大の大仏が見られなかったり、体調が悪くて飯が美味く食べられなかったという悔いを残しているので、そのリベンジという意味もある。それ以外に、旺角の先達広場という電気街で怪しい携帯電話関連グッズを物色してくるのと、新界の町を適当にほっつき歩くというのが主な目的である。
    Daiba Little Hong Kong
    これはお台場の台場小香港。ここで雲呑麺を食して頭を香港モードに切り替え、有明からのエアポートリムジンで成田へ向かう。
    バスの中は日本人はおらず、プロレスラーのようなゴツイ体格のコワモテのアメリカ人のオッサンが2人、僕の近くに座っていた。少しビビリながら座席につき、シートベルトを締めようとするのだが、ベルトがバックルにカチッと装着できない。うまくささらず何度かガチャガチャやっていると、そのコワモテのアメリカ人たちが、「それは隣の(シートベルト)だよ」と親切に教えてくれた。ありがとう。実の気のいい兄ちゃんだったんだね。疑ったりして悪かった。
    今回は、ユナイテッド航空の格安航空券。Eチケットということで、航空券はない。チェックインカウンターに行こうとしたら、係員のおじさんが「Eチケットだったらあっちの機械でチェックインすれば、カウンターでわざわざ並ばなくていいよ」と教えてくれたので、機械でチェックインする。あらかじめ印字されている予約番号を入れ、パスポートを読み込ませればチェックイン完了。マイレージ登録のため、マイレージプラスカードを機械に挿入し、読み込ませる。作業が終わると、搭乗券の大きさの控えが2枚、出てきたのだが、肝心の搭乗券らしきものがない。横に立っていた係員に訊いてみたら、このままゲートに行けばいいと言う。こんなので本当に大丈夫なのかと半ば不安になりながら、手荷物検査場へ向かう。
    手荷物検査では、金属製の物はあらかじめ取り出してトレーの中に入れて検査官に提出するのだが、携帯電話と鍵を取り出し忘れてしまったため、金属探知ゲートが反応してしまった。係員に脇へ連れ出され、靴を脱がされて念入りに検査を受けることになってしまった。携帯電話と鍵を取り出してから再度ゲートをくぐると、今度はOKだった。
    出国審査も、祝日の夕方の時間帯だけあってだいぶ混雑している。列の後ろに並んでから審査を通過するまで30分ぐらいかかったんじゃないだろうか。
    ようやく搭乗ゲートにたどりついたのは4時前ごろ。6時の搭乗アナウンスまで少し時間ができたので、ノートPCを開くと、Wireless LANの電波を拾い、IPアドレスが表示されるのだが、そのままメールを読み込もうとするとうまくいかない。Firefoxを起動させると、
    WiFi at Narita Airport
    初期画面としてこんなのが出てきた。どうやらIDを1日500円で購入して利用しなければならないらしい。たったの2時間のために500円払うのもばからしいと思っていると、Web画面の下のほうにNTT CommunicationsのHOTSPOTのアイコンがある。クリックしてみるとこんなのが表示された。
    HOTSPOT at Narita Airport
    HOTSPOTのアカウントであればOCNのオプションとしてついているので、その認証IDとパスワードを入れてみたのだが、うまくログインできない。どうやらユーザIDとして@hotspot.ne.jpで終わるものを入れなければならないようである。といっても、僕が持っているHOTSPOTのIDはOCNの認証IDしかないので、これでは利用できないことになる。どうやって使えばいいのかよくわからんので、ここでの無線LANはあきらめることにした。
    さてそうこうしているうちにボーディングの時間になったので、搭乗口近くのカウンターに向かい、搭乗券をもらいに行く。劇の公演の受付のように搭乗券を何枚か取り置いてあったようで、そのうちの1枚を渡してくれた。それを持ってゲートの改札をくぐり、機内に入る。
    さすがに去年の全日空と違って若い日本人女性のスチュワーデスはおらず、そこそこ年季の入った中国系の女性や、肌の浅黒いインド系の男性がクルーとして働いていた。乗客のほうも、団体ツアー客とおぼしき日本人は見当たらず、地元の帰省客か、欧米人か、ディズニーのキャラクターのぬいぐるみを常に抱きしめている日本人女性3人組、など癖のありそうな人たちばかり。まあ普通の日本人はこんな便には乗らんわなあ。
    機体はボーイング747-400で、エコノミーシートのかなり後方の4列シート真ん中の席をアサインされてしまった。まあ格安航空券なのでしょうがないか。座席のヘッドレストのところにTV画面がついておらず、前方に大きなスクリーンがあるのだが、今回に限って故障しているらしく、映画サービスが提供できなくなってしまった。そのことで乗務員一同お詫びのアナウンスがあったのだが、さすがアメリカ系の航空会社、それだけではなかった。
    乗客1人1人に葉書のようなものを配り始めた。映画サービスが提供できないことに対する損害賠償請求のためのフォームだったのだ。ここに名前と住所を書いて提出すれば、後日なにがしかの補償があるのだという。いったい何がもらえるのだろう。何ドルかの商品券だろうか。小切手だったりしたら寒いなあ。
    1845NRT-2225HKG
    本当はフライトマップでも視ながらぼーっと過ごしたかったのだけど、座席にTVがついていないし前方のスクリーンも使えないので、免税品や通信販売のカタログなどざっと読んでいた。アメリカ系の航空会社なので、アメリカの品物が中心。アメリカ製品好きな僕としては何か買っていきたいところだが、行きの荷物を増やすのもアレなので、帰りの楽しみにとっておくことにする。
    機内食は夕食が1度だけ。これも洋食だった。酒のおつまみにプレッツェルが出る。
    10時半ごろ、香港に到着。空港内での要領はもうわかっているので、さっさと入境手続きに向かう。到着ゲートは少し離れた場所だったようで、ターミナルまでシャトルが走っている。
    入境手続きを終えてロビーに出るころには、もう11時前になっている。店はちらほら開いているが、梅窩に取ってあるホテルに12時にはたどり着かなければならないので、さっさと空港をあとにし、タクシー乗り場を探す。梅窩へはバスでも行けるのだが、11時20分まで発車しないし、速度も遅いので、さっさとタクって行くことにした。
    スカイブルーのクラウン・コンフォートのタクシーを拾い、「ムイウォー、フェリーターミナル、プリーズ」とカタコトの英語で話しかけてみる。すると、運転手は、怪訝そうな顔をして「ムイウォー?ビンド?」と訊いてくる。梅窩のどこかと訊かれたのだとピンときて、「フェリーターミナル」と言ったのだが、わかってもらえない。こちらは英語しか喋れないので「フェリーターミナル」とか「バスターミナル」とか言葉を変えつつ英語で何度も言ってみるのだが、英語が通じないらしく、らちがあかない。運転手は乗り場に入ってきた後続のタクシーの運転手を呼び、助けを求めた。後続のタクシーの運転手のほうは英語がわかるらしく、「巴士站(バーシージャン:バス停)」と通訳してくれたら、最初の運転手は理解したようで、おもむろに走り出した。それにしても、前回の香港旅行では英語で何不自由しなかったのに、のっけから英語の通じない場面に出くわし、面食らってしまった。
    タクシーはまるでジェットコースターのように思いっきり荒い運転で峠を攻める。振り落とされそうになるのをこらえながら、40分後、梅窩のターミナルに着いた。130HK$ちょっと(約2000円)。降りるとき、試しに覚えたての広東語で「ドーチェ、ドーチェ(多謝多謝)」と言ってみたら、運転手さんの顔がほころんだ。やはり広東語で話してみると親しみがわくらしい。
    Mui Wo bus terminus
    ターミナル前のセブンイレブンでミネラルウォーターを買い込み、銀鑛灣酒店へ向かい、チェックインする。ここのホテルは前回にも泊まったところで、手頃な値段でまったりした雰囲気が好きだったところなので、今回もここに泊まることにした。
    Silvermine Beach
    部屋は前回よりもきれいな部屋で、ビーチが見えるとても雰囲気のいいところだった。とはいっても遅い時間で、いい加減疲れてきたので、感慨にふける間もなくさっさと眠りについてしまうのだが……。
    Silvermine Beach Hotel bedroom

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  • 万灯行列

    The Manto Gyoretsu procession The Manto Gyoretsu procession
    家の近所での今夜の光景。
    日蓮宗系のお寺の定例行事で、日蓮聖人の命日である旧暦10月13日の前後に行われる「お会式(えしき)」という法要を執り行うにあたって、このように桜をかたどった万灯行列が出て、笛を吹いたり鉦やうちわ太鼓を賑々しく打ち鳴らしながら町を練り歩く。
    地元のお寺では毎年11月2日に行われている。

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  • 舌切雀のお宿はどこだ

    The Usui River The hotel of Shitakirisuzume
    群馬県安中市、碓氷川のほとりにある、磯部温泉。「舌切雀のお宿」として知られる旅館だ。
    舌切雀の童話は、小さい頃に絵本で読み聞かせられた記憶はあったものの、なんせ小さい頃のことだったので、どんな話だったか細かいところは忘れてしまっていたのだが、あらためて絵本を読んでみたら、こんな話だった。

    むかぁ~し、むかし、(以下市原悦子調で)あるところに、おじいさんとおばあさんがおったそうじゃ。
    おじいさんとおばあさんは、あるとき、小すずめをひろってきて、わが子のようにかわいがっておった。
    ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行っておったら、大きな桃がどんぶらこ~どんぶらこ……じゃなくて、小すずめは、遊び相手が誰もいなくなって何もすることがなく、たまたま、おばあさんが米で洗濯糊を作って家に置いておったのを見つけて、それをすっかりなめて食べてしまったそうじゃ。
    帰ってきたおばあさん、それを知ってたいそう腹を立て、米をなめた小すずめの舌を、糸切りばさみでチョッキンと切って、家から追い出してしまったそうじゃ。
    おじいさんは、その話を聞いてたいそう心を痛め、山へ入って、「舌切り雀のお宿はどこだ」と言いながら、小すずめを探しに行ったそうじゃ。
    やがて小すずめの巣を探し当てたおじいさん。小すずめはすっかり元気になっておった。小すずめの一家は、小すずめを心配して探しに来てくれたことにすっかり感謝して、おじいさんにご馳走をすすめ、鯛やひらめの舞い踊り、じゃなかった、まあとにかく歓待したそうじゃ。
    帰り際に、お土産の玉手箱、じゃなくて「小さなつづらと大きなつづら、お好きなほうをお持ちください」と言って、おじいさんにすすめたところ、おじいさんは、「わたしゃ年寄りで力がない。小さいほうのつづらで十分です」と、小さなつづらを持って帰ったんじゃ。家に帰って開けてみると、金銀珊瑚の宝物がざーっくざく。
    ところが、欲の張ったおばあさんは、「どうせじゃったら大きなつづらを持って帰ったほうが、もっといっぱい宝物がもらえたのに。よし、わしがもう一度小すずめの巣に行ってきて、大きなつづらをもらってこよう」と、もう一度巣に行って、今度は大きなつづらをもらった。家に持って帰ろうにも、重くて重くて、途中でたまらず開けると、出てきたのはおばけがいーっぱい、おばあさんは腰を抜かしてしまったとさ。
    おしまい。

    欲を出すと痛い目を見る、謙虚が一番、といういかにも日本的な教訓を含んだ童話なのだが、この小すずめの一家は、自分を心配して訪ねてきてくれたおじいさんに対しても、つづらの片方におばけを入れておじいさんの前に出していたのかな。たまたまこのおじいさんが小さいほうを持って帰ってくれたから良かったものの、もし「大きなつづらのほうをいただきます」とか「どうせなら、両方持って帰ります」とか言ったら、どうなってただろう。やっぱり、おじいさんが相手のときは、どっちのつづらにも宝物を入れて持たせようとしたのかな。逆に、おばあさんが相手のときは、両方ともおばけ入りにしたんだろうな。だって、小すずめからしたら、自分の舌を切り取った憎っくき相手。なんとか復讐してやろうと思っても無理ないと思うけど。
    大人になってしまうと、こんなふうに考えてみたりする。いやー心が汚くなったものだ。舌切雀のお宿で温泉につかってマターリして童心に返らねば。

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  • 国勢調査

    今年は国勢調査の年になっているので、10月に全国で一斉に国勢調査が行われることになっている。国勢調査とは、統計法に基づいて、国内に住むすべての人について統計調査することで、人口・世帯の実態を明らかにし、行政の基礎として利用する、最も基本的な調査なのだそうだ。大正9年から5年ごとに行われ、今回は18回目になるとのこと。前回の調査時には僕は所沢の独身寮にいたのだが、今回は初めて都民として国勢調査に参加することになる。
    大家さんがうちに来て、調査票を持ってきた。地区ごとにとりまとめ係が任命されていて、その人を中心に地区内に調査票を配ってまわるらしい。うちのような集合住宅の場合は、大家さんとか管理人さんが一括して預かり、各世帯に調査票を配ったり、回収したりするようになっているようだ。
    うちの地区のとりまとめ係は、近所の時計屋さんだそうだ。僕のような都心に勤める人間じゃなく、その地域に根を張っている自営業の人が、そういう役割を負うことになっているらしい。
    調査票自体は、そんなに難しいものじゃなく、マークシート式で質問内容に答えていく形式となっている。質問項目は、氏名、性別、出生年月、配偶者の有無、国籍、職業、勤務先、勤務地、住居の形式(一戸建てとか、持ち家とか、賃貸とか)、世帯員数などを、その世帯の人すべてについて答えることになっていた。僕は一人暮らしなので僕自身のことだけ答えればよい。年収とか借入件数のようなプライベートなことは聞かれなかった(当たり前か)。まあこの程度ならそんなに厳重に管理しなくたって僕のデータなら別に漏れたっていいやと思ったけど。
    それ以外に、就労状況として、9月24日から30日までの間の総就業時間数を聞かれたんだけど、この週って年休消化してたり労働組合の活動してたりとかで休みまくってて、まともに会社で仕事したのは2日間だけなんだよなー。1日13時間として、2日で26時間。これだと1週間でたったの26時間しか仕事してないみたいに受け取られちゃうだろうなー。調査票と一緒についてきた「調査票の書き方」という説明用冊子によると、これで「経済活動の実態を全国及び地域別に明らかにし、雇用・失業に関する施策に利用」するそうだけど、こんなんで正しいデータになるのだろうか。過去3ヶ月間の平均の週あたり就業時間数を問うとかにでもすればいいのに。
    回収は大家さんに手渡しをしてほしいとのこと。もちろん厳重に封をしてから出すので中身を見られることはないのだが、郵送にすると郵送料がかかるのでできれば手渡しを原則にしてほしいとのことだった。どうせならめんどくさいから全部郵送にすりゃいいのにと思ったけど、それだとめんどくさがって書かなかったり、うっかり郵送し忘れたりする奴が出てきて、正しい調査にならないんだろうな。
    一般人だけでなくDQN・ヤクザに至るまですべての人を対象に実施する調査なので、対象者層によっては調査員の身に危険が及ぶことも少なくないそうで、毎回何人かの調査員が殺されるという、実に”命がけの”国勢調査になることもあるようだが、ともあれ、無事に済んでくれることを願うのみである。

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  • 【阪神】おめでとう!!!【優勝】

    もう何も言うことはない。
    大阪生まれ大阪育ち、阪神に育てられた岡田監督率いる阪神が、見事優勝!
    それも、甲子園で!
    しかも、宿敵巨人を倒して決めるやなんて……!!
    万歳!

    もう感激雨アラレ。昨日から祝杯あげすぎて胃が痛い……。
    とにかく、岡田監督GJ! お疲れさん。
    次は日本一、たのんまっせ~。

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