JRクオリティ~京浜東北線トラブル~

今シーズンは風邪やインフルエンザからなんとか逃げ切れたと油断していたら、今週に入ってとうとう風邪をひいてしまった。胃腸にくる風邪のようで、3月23日には酷いときには2時間おきに催してしまう状態だった。このときに、もし京浜東北線になど乗っていようものなら、人生最後の阿鼻叫喚の惨劇に遭遇していたことだろう。

京浜東北線:停電で5000人が車内に 正午前に運行再開
 23日午前9時25分ごろ、東京都大田区のJR京浜東北線蒲田-大森駅間の架線が停電し、蒲田駅から約500メートル付近を走っていた大船発南浦和行き北行電車(10両、乗客約1000人)が停車、自力走行が不可能となった。JR東日本は同線の大船-大宮駅間全線で南北行き電車の運転を見合わせ、関係各会社線に振り替え輸送を実施した。他にも付近を走っていた4本が立ち往生し、一時は計約5000人が車内に閉じ込められた。他の4本はまもなく最寄りの駅に着いたが、自力走行が不可能となった電車は別の車両を連結して動かし、午前11時50分過ぎに蒲田駅に到着した。この電車に乗っていた約1000人は、2時間半にわたり車両内に閉じこめられた。同線は同11時59分に全線の運行を再開したが、24本が運休、38本が遅れ、約6万5000人に影響が出た。
 同社は、この電車の3号車の電気系統にトラブルが生じたとみて、原因を調べている。
 警視庁大森署によると、閉じ込められた乗客のうち男女約20人が「気分が悪い」と訴え、車掌室から線路上に降りた。23~47歳の女性6人が救急車で病院に搬送された。蒲田駅到着後も22~48歳の男性4人、女性6人の乗客が気分の悪さを訴え、病院に運ばれた。
 立ち往生した電車内は室内灯が消え、空調も止まった。川崎市幸区のパート従業員、小島和子さん(55)は「とにかく中の温度が上がって、これ以上耐えられないギリギリの状態だった。車両が止まる2~3分前にガクッとする感じがして、止まった。とにかく疲れました」と話す。5歳の長男と先頭車両に乗っていた横浜市鶴見区の主婦、藤井理恵子さん(40)は「蒸し暑かった。運転席の窓を開けてもらい、空気が入るようになって助かった。同じ車両に気分が悪いという人が2人いて、その人を空気が入る場所に移すなど助け合った」と座り込んで話した。乗客によると、「ボン」という音がした後、3両目のヒューズボックス付近から煙が出たという。(毎日新聞記事

大事なお客様を2時間半も閉じ込めておくっていうのは、さすがJRのやりそうなことだ。今までも何かトラブルがあるたびに機外停車(駅と駅の間に電車を停車させておくこと)→閉じ込め放置は当たり前の措置だったんだが、エアコンの止まった電車の中のお客がどんな思いをしているかとか、そういうことには考えが及ばないんだろうな~。運転手や車掌は、そういう現場から一番近い位置にいたはずなのに、いったい何をしてたんだろう。30分動かないと分かった時点で乗客を下ろして安全な場所に誘導するとか、それが無理でもせめてドアぐらい開放するとか、なんかできなかったのかね~。そういうことを指令の指示なしに勝手にやっちゃうと服務規程違反にでもなっちゃうんだろうか。

JR側のコメントとしては、「併走する東海道線を止めたくなかったので、乗客を下ろせなかった」ということらしいが、乗客の安全よりも運行管理のほうが大事ですか、そうですか。乗客は所詮貨物と同じ、という体質、それがJRクオリティ。

東海道線を止めなかったからといって、京浜東北線が止まっている以上、京浜東北線に乗って東京~横浜間を移動するはずだった乗客は東海道線に流れるはずだから、東海道線にもどうせ影響が及ぶことは間違いないんだし、ここで東海道線を30分ぐらい止めてダイヤを乱したところで、東海道線が乱れるという点では止めなかった時とそう変わらないんだから、いっそのこと止めちゃって、30分で乗客全員を外に誘導して蒲田まで歩かせるとかすればよかったのにと思うんだが。

それにしても、窓の開かない車両というのが、また乗客を舐めきった仕様だ。今回の京浜東北線で使われている209系という車両は、コスト削減のために窓を固定にして、開閉できないようになっている。以前、同じ京浜東北線で、窓の開かない電車で車両火災が発生して、乗客は逃げられずに106人が亡くなった事故があったというのに。オウム真理教のサリン事件実行犯は、地下鉄などを狙うよりも京浜東北線内でサリンをぶちまいたほうが、より多くの人を殺せたかもしれない。

そんな密閉車両で、だんだん酸欠状態になっていき、呼吸困難や脱水症状などで16人が病院に搬送された。あと30分遅ければ生命にかかわる状態だった人もいたという。これが夏場なら、パチンコに行った親を炎天下の自動車の中で待っている幼児のようになっていたことだろう。

JRは、このトラブルで3つの大きな過ちを犯した。1つ目はもちろん車両故障を起こしたことそのものだ。2つ目は、指令・乗務員・駅員の(相変わらずの)不手際によって乗客を閉じ込め、ろくに情報も与えず(現在の情況、途中経過、復旧までの時間見込みなどを一切乗客に知らせずただ「絶対に外に出ないで下さい」と繰り返すばかりだったという)乗客を不安にさせ、出さなくていい病人まで出してしまったこと。そしてもう1つは、JRが過去に数多く経験した人身事故・車両故障・信号故障などのトラブル時の対応から何も学んでいないことである。

その点、私鉄などは、そういったトラブル時のマニュアルは整備されていて、ひとたび事故が起こっても迅速に動いて復旧できるようになっているそうだ(西武線などは、事故・故障時のみならず、「渡辺美里のアンコールが入った時」用のマニュアルまであるという)。旧国鉄であるJRは、業務改善をやる気がないのか、そういったマニュアルが整備されていないようで、トラブルが起こるたびに同じように右往左往して場当たり的に対処し、その結果乗客にしわ寄せが来ることになる。今回のトラブルにしても、そこから得た教訓は、さしずめ「2時間半ぐらいなら乗客を閉じ込めといても大丈夫」といったところではないか。

それにしても、2時間半も蒸し風呂の中に"監禁"されて我慢しているというのも、いかにも日本人らしい。他の国の人間なら、1時間も缶詰にされていたら、さっさと窓をブチ破って外になだれ出て暴徒になってることだろう。日本の乗客がおとなしいことに甘えているのか、「外に出るな」だの「ドアを開けるな」だのと乗務員は言う。かといって乗客を安心させることもしないし、適切かつ迅速な誘導もできない。JRには、そういうことはできないのである。そういうことは期待しないで、30分も機外停車で閉じ込められたら、かまわないので非常コックでドアを開けて外に出ればいい。その分復旧が遅れて他の人に迷惑だって? その人も一緒に出れば迷惑にならないじゃないか。必死で動いてるJRの職員に迷惑? もとはといえばテメエラのほうがもっと迷惑かけてるだろうが。

仮に迷惑だったとしても、あとで「ゴメン」と謝れば済む範囲の迷惑だ。JRなんか、16人も病院送りにした上に、6万5000人に迷惑をかけておいて、「ゴメン」で済ませようとしてるんだ。

「一部の勝手がみんなの迷惑」と訴える、全体主義がお好きな人は、どうぞ逃げずにそのまま残って結構。でも、誰もマトモに助けが期待できない状況下で、自分の頭を使って自分の身を守る行動をとった人を、責める筋合いはないからね。

みだりに外に出ると危険? 子供じゃあるまいし、電車が走ってくるかもしれない線路の上を歩いて逃げるなんてバカな真似をするわけない。どこが安全で、どこがそうでないか、大人なんだから自己責任で判断するはずだ(それができないDQNも少なからずいることが問題なのだが)。

復旧が遅れる? 1時間か2時間、遅れるか早まるかの違いだけだ。今のJRの対応ぶりを見ていると、どっちにしたって、その日1日はダイヤが狂う。

腹痛で漏れそうなのを我慢したり、気分が悪くて倒れるまで蒸し風呂の中でおとなしく耐える必要など、これっぽっちもない。外にも出してくれず、ドアも窓も開けてくれないなら、みんなで乗務員室に駆け込んで、いっせいに中に汚物を噴射してやれば、少しは対応も変わるかもしれない。

(参考)缶詰の中の人の体験記

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2 Replies to “JRクオリティ~京浜東北線トラブル~”

  1.  トラックバックありがとうございました。
     読みながら事実誤認と思われるところが見受けられましたので、指摘しておきます。
     209系が窓が開かないと言うのは、誤解です。確かに大半の窓は開きませんが、車端部の窓は非常時に備えて開けることは可能になっています。この辺を車内放送(断路器の故障で、走行不能になるとか空調が使えなくなることはあっても、放送用の電源はバッテリーより供給が可能なはず)等でアナウンスすることは可能だったと思います。それをやらないとしたら、それは車掌の怠慢として責めることはできますが。
     また、この件と桜木町事件(火災事故で106人死んだ事件)は同列に論じることには無理があります。桜木町事件の場合は、窓が開かないだけではなく貫通路が未整備だったので隣の車両に移ることすらできなかったことが被害を大きくしています。今は車内に貫通路は整備されていますし、車両自体も不燃性の材料で構築されていますので、煙は上がっても、車両自体が燃える可能性はかなり低いです。地下鉄サリンの件ですが、サリンは気化すると空気より重い気体になるので、窓を開けるよりはドアを開けたほうが効果的に出せるでしょう。
     列車内から、人を外に出さなかった件についても、正しいとはいえないまでも、間違った対応だとは思いません。事故現場区間であれば東海道線は時速80~100kmは出している区間です。気分が悪くなったどころか、けが人や死者まで出てもおかしくありません。東武線竹ノ塚駅そばの踏み切りで警手のミスで竹ノ塚駅を通過する準急電車が人をはねて、2名死者を出した事故があったばかりですので、慎重になるのはやむをえないでしょう。
     人間はどんなときでも平常心でいるわけではありません。平常心であれば「こんなことをやるなんてありえない」ということをパニック時になればやりかねないのが人間です。
     JR憎しが先にたちすぎていませんか?

  2. JR東日本は、車両故障や信号故障を相次いで発生されること自体が、問題です。
    3月だけで、本件以外にも、多数発生しました。
    私が把握してるだけでも、
    2005年3月 9日は、山手線が車両故障で、50分間缶詰
    2005年3月18日は、山手線がドア故障で、運転見合せ、さらに駅の混雑でホームから転落する二次災害も発生
    2005年3月23日は、京浜東北線が車両故障で、2時間以上缶詰・病人発生・救急車出動(本件)
    2005年3月24日は、京浜東北線と山手線が信号故障で、運転見合せ
    2005年3月25日は、中央線が信号故障で、遅れ
    2005年3月29日は、中央線が信号故障で、間引き

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