まず、新潟県で被災された方々には、心からお見舞い申し上げたい。
地震発生の時、僕は東京の自宅で横になっていたのだが、いきなり強い揺れを受け、たじろいだ。僕はあの阪神大震災の折、西宮で被災した経験がある。そのため、地震については、ちょっとの揺れでも敏感になってしまう身体になっているのだ。
その揺れは、震度的にはそれほど強い揺れではなかったのだが、ゆうに1分を超える長い揺れだった。神戸の震災の時は、その小さな揺れがだんだん大きくなっていき、ご存知の震度6~7に発展してしまったのを体験したので、この1分の間、その揺れ幅が大きくなっていくことだけをひたすら恐れ、揺れている間は生きた心地がしなかった。
幸いなことに、東京ではそれほど大きく揺れることなく収まった。安堵してTVをつけてみると、「新潟県のほうで震度6強」の地震だったと報じているのが目に留まった。震度6強といえば、阪神大震災と同レベルである。これはただごとではないのではないか――と胸騒ぎがした。
その懸念は不幸なことに現実となった。それからというもの、TVは地震特番一色となった。次々に明らかになっていく現地の被災状況、だんだん増えていく死傷者の数……事態は、まさに9年10ヶ月前の阪神淡路地域の再来であった。
被災した家屋の片付けもままならず車で寝泊りした家庭、電気もガスも水道も使えなくなって食料の調達もままならなくなり、避難所で食料の配給を待つ人々……僕たちが経験したそのままのことが、今まさに起こっているのである。
今回の地震は、ある面では神戸の震災よりも悲惨なのかもしれない。
まず、山古志村などでは村の外に出る道路が土砂崩れで塞がったことで外部との交通が完全に断たれてしまい、孤立状態に陥ってしまった。村民はヘリコプターで長岡市などの大きな街に避難することはできたが、当分の間は家に戻ることも叶わず、避難所生活を余儀なくされることになるだろう。
次に、被災者の大多数がお年寄りだということ。走って逃げることもままならない上に、急激な環境の変化でショックを起こし、地震そのものよりも、その後になってから亡くなってしまう方が増えているという。避難所の食事は十分に行き渡らない上にお年寄りの口には合わないものも少なくない。トイレも不十分で衛生面も心配だ。またこれから寒くなってくると風邪の流行も心配だし、特に日本海側では豪雪に見舞われることが予想され、ともすると命に直接かかわる。
避難生活が長引くと健康への影響も懸念される。震災直後は気が張っているからよいが、一週間ほどたって落ち着いてきた頃、ふと緊張が緩んだ時が一番危ない(僕も震災の一週間後に風邪をひいた)。
現地の工場や事務所の被害も深刻である。特に中小の酒蔵などが倒壊し、致命的な被害を負ったところも少なくない。阪神のときもそうだが、ある程度大きな会社なら別の安全な場所に臨時に勤務することも可能だが、被災地にしか勤務場所がないような会社の場合、直接その存立にかかわる事態ともなろう。
交通機関の寸断も問題だ。特に新潟などでは通勤や日常の足にクルマを使っていることが多いだろうから、その手段が断たれるということは、足をもがれたにも等しい不便を強いられることになる。
しかし、救いもある。頼りない政権政党だった阪神と異なり、今回は政権が(良くも悪くも)しっかりした体制だったので、緊急事態に即応することができたのはさすがだと思う。まだまだ不十分な面も多々あろうが、復旧作業に一生懸命になっている人たちを前にして、不手際を安易に責めることはできない。
阪神のときはNifty-Serveなどのパソコン通信が安否情報などの提供に大活躍した。時代が下ってインターネット全盛となった現在では、2chなどを中心に情報集積拠点が作成され、情報が持ち寄られて共有されている。ITを使ったこうした草の根的な活動は、何よりの力だ。
今回の地震は僕にとってはとても他人事とは思えないので、とりあえず僕にできることをしようと考え、ささやかながら赤十字と共同募金に義捐金を送った。しかし、今はこのように県外の人たちが注目し同情してくれているが、あと数ヶ月して、誰も見向きもしなくなった時が被災者にとってはるかに辛く苦しいのである。特に家を失くした人たちにとっては、何ヶ月もの避難所生活に加え、家が再建されるか恒久住宅に入れるまで長ければ何年もの仮設住宅での生活を余儀なくされるだろう。十年単位の息の長い支援が求められる。
そして、忘れてはならないのは、台風23号の被害もまだ終わったわけではないということだ。
Blog
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新潟ガンガレ、超ガンガレ
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Movable Typeアップグレード
Movable Typeの最新版(3.11日本語版)がシックス・アパート株式会社のサイトにアップロードされたので、このブログも更新した。
といっても外観はほとんど変わらないが……。
参考:2004年8月3日分エントリ「Movable Type 3.1」 -
間接照明
週末の台風で、自宅の周りも大雨が降り、そのときに部屋が雨漏りした。僕が借りて住んでいる部屋の真上はちょうど屋根になっていて、屋根のどこかから雨水が入り込んだものと思われる。雨水は照明の配線を伝って、電灯を吊り下げるソケットの穴から、水滴になって激しく滴り落ちてきた。洗面器を持ってきて受けてもすぐに一杯になる。台風が通り過ぎて雨が止んでしばらくすると雨漏りはおさまったのだが、雨が降っていた4~5時間ほどの間に、洗面器2~3杯ぐらいの量がそこから降って来たのである。とりあえずこのままにしておくわけにもいかないので、至急、大家さんに連絡して業者を手配してもらったのだが、マンションの雨漏りの原因を切り分けるのはなかなか難しいらしく、原因は未だわからないままだ。
雨水が漏れ出したソケットにまた電灯を吊るして使うのも怖いものがあるので、コストコに行って前々から欲しかったフロアランプを買ってきた。2台セットで6000円強。1台10000円を覚悟していたが、思ったよりも安くあがったものである。
アメリカからの直輸入品らしいが、AC100Vに対応しており、日本語のマニュアルも付属していた。
とりあえずマニュアル通りに組み立て、部屋に置いて点灯してみた。
光源はハロゲンバルブで、直射光はかなり強い。その強い光を天井に向けて照らし、天井からの反射光で部屋全体を照らすしくみになっている。普通の蛍光灯で直接部屋を照らす方式に対して、この方式は反射光を利用した照明なので「間接照明」と呼ばれている。
アメリカなどでは、ベッドルームを蛍光灯を吊るして照らす習慣がなく、天井には電気の配線がないので、照明は間接照明が主流なのだそうである。われわれ日本人からすると薄暗くてなじみにくいが、直接照明に比べてソフトで、精神を癒す効果があるのだとか。
間接照明は本当に使える方式なのかどうか、しばらく実験してみようと思っている。Technoratiタグ: インテリア | -
新調した服は必ず汚されるの法則
秋になったので、6万円出して思い切ってベージュのコーデュロイのスーツを新しく買った。もう30歳も過ぎた身では、3万円の安物スーツをいつまでも着ているわけにはいかない。
そのスーツを着て、会社帰りの西武線の電車に乗った。池袋で電車に座って待っていると、30代ぐらいの男性が缶チューハイのような飲み物を持ったまま隣に座ってきた。
まあそれはいいのだが、電車が動き出すと、その男性は、座ったまま寝入りだして、僕の肩にしなだれかかってくる。まあそれもまだ許せる範囲なのだが、大泉学園の駅に着いたとき、そのオッサン、電車が止まった拍子に持っていた飲み物を思いっきりこぼしやがった。
そのとき、僕は違う方向を向いていてその瞬間に気づかなかった。なんか身体が冷たい!と感じて振り向くと、そのオッサンが座席を水浸しにしていたのだ。当のオッサンはバツが悪そうに「スミマセン」と小声でうわごとのようにつぶやくと逃げるようにドアからホームに降りていきやがった。おかげで僕の6万円スーツは台無し。こんなことなら、寝てる間にオッサンの財布でもスッておけばよかった。
かなり前になるが、滅多に着ない高いスーツをたまたま着て会社に行き、昼食の時間に食堂に行くと、近くにいたオッサンが食べ物を満載したトレーをはずみでひっくり返し、その飛沫が僕のスーツにかかったこともあった。もちろん、わざとじゃないので怒るわけにもいかず、ぶつけどころのない怒りに打ち震えるしかなかったのだが、どうやら、僕が新しい服や高級な服を着ていると、きまって誰かが狙ったようにそれを汚しにかかるかのようにさえ思える。
いっそのこと、高いスーツを新しく買ったら、まずはゲロでも吐いて一度汚してから着るようにしたほうが、余計な気負いが消えて意外と良かったりして……なわけないか。 -
馬鹿ばっか;
会社帰り、地下鉄の銀座駅から池袋行きの丸の内線に乗ったところ、銀座駅を出てからしばらくして、急に車内の照明が暗くなったと思ったら、電車が急減速した。そして、車内に
「ただいま、(2駅先の)大手町駅にてお客様が線路内に立ち入ったとのことで、安全を確認しております」
という車掌のアナウンスが流れた。電車はそのまま徐行して、東京駅のホームに滑り込み、そこで急停止するようにかっくんと停車した。
そこまではいいのだが、ホームの乗車位置に乗客が整列し、かつ車内には降りようとする客がドアの前に列をなしているにもかかわらず、電車は停まったまま、ドアが開かない。
送電が止められているので、冷房も切れてしまい、窓もドアも開かないので、車内は蒸し暑くなってきた。車掌は相変わらず
「ただいま大手町駅にてお客様が線路内に立ち入った関係上、状況を確認しております。その関係で、ただいま電車が停車しております」
と何度も同じ言葉を繰り返すばかり。それはさっきから何回も聞いてるっちゅーねん! オマイはNHKの災害中継か! 馬鹿じゃねーのか!? 車内の苛立ちは最高潮。
10分ほどして、ようやく安全が確認されたとのことで、電車が動き出した。停まっていたところからほんの20~30メートルほど動き、本来の停車位置に止まり、ドアが開いた。
それやったら最初から本来の停車位置に止めっちゅーねん! アホか!! -
水戸漫遊記
藁で包まれた水戸納豆が無性に食べたくなったので、思い立って納豆を買いに水戸まで行ってきた。
水戸駅に午後6時頃着いたのだが、駅前には、渋谷では既に絶滅したと思われる《ガングロ+茶髪+制服》のコギャルたちが3人ほどお パ ン ツ の 中 ま で し っ か り 見 え る よ う に
しゃがんでいる。そしてその周りを、いかにも安っぽそうな格好をしたホストたち10人ぐらいが取り囲むように客引きをしている。
しばらくすると、これまた〈いかにも〉という格好の、柄の悪いチンピラスーツに身を包み、後ろ髪を伸ばしツンツンした髪型をした、典型的な田舎の族か木っ端ヤクザといった連中が練り歩いてきて、そのホストたちに「オゥ」などと声をかけている。
イバラキではこれがデフォなのかもしれないが、東京でこんな真似してるとかなり恥ずかしいだろうな。 -
COSTCO体験記
アメリカのホールセールストア、COSTCO(現地読みでは「コスコ」、日本では商標登録の関係上「コストコ」となっている)が日本にもあって、会員になると中に入ってアメリカ製品などが安価で買えるという話を聞いていたので、さっそく多摩境にあるストアに行ってみた。家から車で約40km、所要時間約2時間。
建物の2階部分にある駐車場にソアラを置き、そこから1階の入口まで下りる。入口から先はメンバーシップカードがないと入ることができない。さっそく、メンバーシップの入会申し込みをする。
入口で書類を書き、それを持って出口側から中に入り、カウンターでSIGN UPの手続き。店員の女性が書類を受け取り、何やらコンピュータに入力したあと、写真撮影。そのあと年会費4200円を払うと、すぐに写真入りのメンバーシップカードが発行された。このカードは英語で印字されており、世界中どこのCOSTCOでも有効とのこと。それを持って一旦建物を出て、入口に立っているスタッフにカードを提示すると、晴れて店内に入ることができた。
建物全体に、甘ったるい独特の匂いが漂っている。これは、僕が以前ワシントンに行ったとき、空港や地下鉄の駅で嗅いだのと同じような、まさしく「アメリカの香り」である。
ホールセールショップなので、商品はダンボールのまま無造作に積まれているだけで、味もそっけもない。商品の案内図もないので、どこの場所にどんな商品が売られているのかも、自分で歩いて探さなければならない。人件費や広告費などが徹底的にカットされている。
店内ではアメリカンサイズの巨大なショッピングカートを押して歩くのだが、人が多いので、ぶつからないように歩くのにかなり気を遣う。おまけにガキがチョロチョロ動き回っているのがウザイ。
とりあえず初回ということで、買い物はあとまわしにして、店内の探検(笑)から始めた。品揃えは、ロレックスの腕時計から、家電製品、潜在、キッチン用品、衣料品、食料品、飲料水、酒、化粧品、洗面用品など多岐にわたっており、生活に必要なものはすべてここでまかなえそうなほど。売られている単位が、シャンプー1ガロン、ミネラルウォーター2Lペットボトル16本セット、柔軟剤5.3Lのボトル2本セットなど、単身者としてはいささかもて余しそうな感がしないでもないが、何人かで一緒に買いに行ってあとで分けるなど工夫すれば対応できなくもない。
値段は高いのか安いのか比較対象がないので判断できないが、同じ輸入品メインに扱っている麻布ナショナルマーケットなどと比べると単位分量あたりの単価に換算すれば遥かに安いと思われる。ただ単身者にはナショナルマーケットのほうが使いやすいと思われるが。
とりあえず、僕はDOVEの石鹸12個パック、靴下4足セット、Ziplocのプラスチック密閉容器27個セット、そしてベーグル12個を買った。数だけみればものすごい量のようだが、ショッピングカートに入れると見劣りするほどの少なさに見える。周りの人を見渡すと、カートに商品を満載して歩いている人が多かった。そんなにたくさん買って何に使うのだろうか。
商品はレジに通して精算しレシートをもらうのだが、COSTCOにはさらに独特のシステムがある。それは、建物の外に出るとき、出口に立っているスタッフにレシートを見せるのである。レシートの記載内容と実際に買った商品とを突き合わせ、それが一致していて初めて建物から出ることを許される。
これは一見かなり感じ悪いように思われるのだが、実はこのやり方は画期的で非常に合理的であることに気付いた。普通のスーパーでは、商品をカートに詰めてレジを通すと、そのあとはカートから出して袋詰めする。精算の済んでいない商品をレジの外に持ち出すことは許されない。
ところがここでは、レジの外にフードコートがあり、買い物途中に食事がしたくなれば、商品の精算前でもレジの外に出てかまわない。また精算が終わったあとで買い忘れたものがあったら、カートごとか、またはカートをその場に置いて、再度買い直しに行けばよい。建物の中から出る前にとにかくどこかで1回レジを通せばよいのだ。
また精算の済んだ商品をカートに入れたままカートを置いてその場を離れても、買った商品を盗まれる心配がない。もし仮に盗まれたとしても、盗んだ人はその商品に対するレシートがなければ出口から出ることができないからだ。そのため、フードコートに行くにも、いちいち巨大なカートを引っ張りまわさなくても、そこいらに置いたまま身軽に動くことができるのだ。このシステムには感心した。
このような会員制のホールセールショップといえば、昔神戸に「Kou's」という店があって、一度会員になったことがあるのだが、売り方やシステムはCOSTCOとよく似ているものの、売られている商品が日本の他のスーパーや家電ショップで売られているものと変わらなかった。システムだけアメリカの真似をしただけで、売っているものはわざわざ年会費を払ってまで買いに行くほどのものでもなかったので、どこか中途半端な印象をぬぐえなかったのだが、COSTCOは純粋にアメリカのホールセールショップで、売られているものもアメリカ製品が多い。その点で、他社と差別化できるのではないだろうか。
最後に、麻布ナショナルマーケットとの比較表を作ってみたので紹介しておきたい。
COSTCO(多摩境店) 麻布ナショナルマーケット 場所 郊外 都心 客層 普通の中流家庭の家族連れ(子連れ多し)
米軍基地が周辺にあるので、米軍関係の家庭の人たち大使館関係者
ちょっとセレブ(?)な人々
(子供はあまりいない)会員制度 年会費4200円
非会員は建物内にも入れない会費無料
非会員でも買い物可能だが、会員になるとポイント特典や割引特典などがあり売り方 ケース単位での販売
出口でのレシートチェックあり通常の日本のスーパーと同じ 品揃え 時計、家電製品、コンピュータ、キッチン用品、バーベキュー用品、洗剤、食料品、飲料水、酒、事務用品、衣料品など幅広く 食料品と生活用品がメイン
衣料品や大型家電などは売っていない値段 比較的割安 会員価格はあるものの比較的割高 単位 ケース単位、複数個パック単位
バラで売っているものはあまりない1個単位で購入可能 クレジットカード AMEXまたはCOSTCO オリコカードのみ使用可能AMEX(セゾンなどの提携AMEXカードも可)またはCOSTCOオリコカードのみ使用可能(2004/11/9修正)主要なカードはすべて使用可能 ちなみにCOSTCOはこの多摩境店のほかに、千葉の幕張、兵庫の尼崎、福岡の久山というところにある。また10月から横浜の金沢シーサイドにもオープンする予定。
【参考】
コストコ(多摩境店)へいこう
コストコホールセールお買い物歴
コストコまま*クラブ
おでかけモニター報告!(コストコ・ホールセール幕張)