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偽造カード被害に対する補償の流れ
1月ごろに、スキミングとそれに対する日本の銀行の対応のあまりのお粗末さが騒がれ、このブログでも海外銀行への資産退避を勧めたこともあったけど、ようやく日本の銀行でも被害補償の対応が整備されようとしているようだ。 偽造カード被害、「銀行補償」を原則に・全銀協 大手銀行や地方銀行などが加盟する全国銀行協会(会長、西川善文三井住友銀行頭取)は18日、偽造キャッシュカード被害の補償条件を定めたカードの取引規定(約款)を4月中に変更する方針を固めた。被害者に落ち度がない限り原則として補償に応じ、落ち度があることの立証責任も銀行側にあると明記する。日本郵政公社なども追随することになりそうだ。 銀行は預金者がキャッシュカードを使う際に負う責任の範囲を規定で定めている。全銀協はこの「ひな型」を作成しており、一部を改定してより補償に応じやすいようにする。 全国の銀行は全銀協の動きに応じて順次規定を変更していく。全銀協に強制力はないため改定時期にばらつきが出る可能性もあるが、業界標準が明確になることで、新基準に基づいて救済が進む。過去の被害にも改定後の規定が適用される見通しで、被害者の救済が大幅に前進する。(日本経済新聞) もう既に何行かでは独自の補償規定が整備され始めているらしい。僕がメインバンクにした新生銀行も、パワーフレックスキャッシュカード補償規定があってかなり手厚く補償されることになっている。 なんだ、日本の銀行だってやればできるじゃん。あまりにも被害者(というか当事者になり得る人)が多くて、世間の圧力に押された形とはいえ、一歩前進だ。逆に海外の銀行に預金を退避させて同様の被害があっても、被害者が少ないから声を上げても世の中を動かす力にまでならず、「自己責任」とか言われてそのまま黙殺されたかもしれないな。 Technoratiタグ: 社会 |
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【また】おちおち街も歩けやしねえ……【大阪か】
先月、大阪・梅田の阪急東通り商店街そばで、「起業Web」の管理者の28歳の男性が、飲んだ帰りにタクシーを拾おうと独りで大通りを歩いていたところ、通りがかった3人組の強盗に路地裏に連れ込まれ、財布を奪われ暴行を受け、そのまま亡くなったという事件があった。 その男性には婚約者がおり、プロポーズしてわずか10日後の奇禍だったという。何のかかわりもない一般人を金目当てで殺害する。犯人は鬼畜としか言いようがない。 阪急東通り商店街は、僕も学生時代よく呑みに繰り出したものだが、一度変な集団に殴りかかられそうになったことがあった。即逃げて事無きを得たけど。 その頃から大阪の治安は良くはなかったのだけれど、それでも夜には平気で呑みに行ってたし、一人歩き程度は平気でできるぐらいだった。今は関西から離れて7年になるのだが、最近、帰省ついでに大阪に立ち寄ると、昼間でもなんとなく身の危険を感じる。この前など、伊丹空港を出た瞬間から変なオッサンに怒鳴りつけられそうになったりしたし。 大阪の警察の腐敗度は言わずもがなであるが、大阪にはやかましい人権屋がぎょうさんいてるので、警察もあまり立ち入って捜査ができないのかもしれない。加えて昨今の関西経済の凋落ぶりと失業者の増大。これでは、治安が悪くならないほうがおかしいのかもしれない。 ところで、僕は来週の月曜日に、香港に高飛びをする。いや、単に中華料理を食べに旅行に行くだけなのだが……。 この香港という街は、上記の「高飛び」という表現からもわかるようにかつてはネガティブなイメージのする街だったようで、「暗黒街」だの「魔界都市」だのと言われて人々に恐れられていたそうだが、中国返還後は再開発が進み、また経済成長もあいまって、今ではシンガポールに次ぐ治安の良い都市になったという(シンガポールはアジア一の治安を誇る都市)。 対する日本の治安は、年々下がる一方。大阪と香港・シンガポールあたりを比べれば、ひょっとしたら既に後者に逆転されてしまっているかもしれない。 Technoratiタグ: 社会 | 地域 | 大阪 | 治安 |
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大いなる勘違い
飲み会の席などで、得意げに自らの恋愛論、女性論を語りたがる男がいたりする。「仕事のデキル人間は、女性の扱い方もうまいんだ」などと調子こきながら、自らの仕事自慢+女性関係自慢を滔々と語ったりするのだが、当の女性たちのその人に対する評判は実はすこぶる悪かったりする。 自分はモテるんだ、自分には女性は好意を抱いているはずだ等と思って変な気を起こしたりすると、大ヤケドをすることになりかねない。 ホークスタウンの社長だった高塚猛容疑者(57)。「平成の再建請負人」と呼ばれ、福岡ドームや隣接ホテル、ダイエー球団など旧ダイエー福岡事業の再建に腕をふるい、経営指南本も多数執筆するなどの辣腕振りで鳴らした実績を買われ、福岡ドームの社長となった。 そのあとは「オレはすごいんだ」とばかりに社長の立場を利用し、自分の会社の女性社員に対してやりたい放題。「通路で抱きついたり、口にキスをするのは日常茶飯事」とも言われるほどで、果ては朝礼中や業務報告中に一緒に居合わせた女性社員を抱き寄せて衆人環視のもとで舌を口に挿れるわ、胸は揉むわ大腿は触るわその奥まで触るわ、あげくは携帯で女性の陰部を撮影してそれを待ち受け画面にして女性社員に見せて喜ぶわといったご乱行ぶりだったという。そして本人はそれを「スキンシップ」だと悪びれずに言っていたそうだ。ついには、「自分は初対面の女性とでさえキスをしてもセクハラどころか、むしろ喜ばれるのだ」などとうそぶくようになり、その"極意"をご丁寧に「抱擁力」という本にまでして出す始末。 ところが、キスをされた当の女性たちは、喜ぶどころか、セクハラで高塚容疑者を告訴。2人の女性社員に抱きついたり肩を抱き寄せたりしたという「強制わいせつ容疑」で、高塚容疑者はあえなくお縄になってしまった。被害者はこの2人だけではなく、他にも多数の類似行為を行っていたという疑いが強まってきたとして、福岡県警は近いうちに再逮捕する方針だという。 高塚容疑者は「抱きついたりしたことは認めるが、スキンシップの一環であり、わいせつ行為ではない」などと供述し、犯意を否認しているらしい。おそらく彼は本心からそう思っているのだろう。「このオレが、若くて可愛い女性に何をしたって、喜ばれこそすれ、どうして訴えられるなどということがありえようか」とでも信じていたのではないか。 問題の「抱擁力」(こんなタイトルからして十分キモイのだが)は、「もてる男は、いいかっこしない」「もてる男は、女性から学ぶ」「太ももは、手前から奥へではなく、奥から手前に撫でると抵抗されない」などと解説しながら、女性部下の心をつかむ(ワラ ための極意を手ほどきするという内容で、あの「面接の達人」中谷彰宏氏との共著。 高塚さんは、キス魔です。 ところが、それがセクハラにならないのです。 「私は、まだしてもらってないから、嫌われているのかしら」 と、心配するほどです。 高塚さんの人徳を知らない人は、 キスだけをとりあげて、セクハラと勘違いするでしょう。 セクハラになるかどうかは、その行為がどうかではありません。 尊敬があるかどうかです。 尊敬がないのに、高塚さんのマネをすると、セクハラになります。 キスをしても、嫌われないくらい心配りができるようになるには、 かなりの修行が必要です。 さすが、高塚さんの人徳です。 という中谷氏の絶賛コメントつきだ。 こんなアフォなことを得意げに本にする前に、鏡に自分の顔をよーく写して見てみるべきだった。そうすれば、間違いを起こさなかったかもしれない。 若い頃はそれなりに見られた顔でも、だんだん年をとってくると肌が老け、顔立ちが崩れ、体形がオヤジ化する。特にこれまでモテてきた(あるいは、そう思い込んでいる)男性諸氏は、この哀れなセクハラオヤジの醜いザマを見て、わがふり直そう。 Technoratiタグ: 社会 | 事件 | セクハラ | 恋愛 |
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また冤罪か!
大阪の地下鉄御堂筋線で当時18歳の女性の股間に足を差し入れたとされて逮捕・起訴された35歳の会社員に対する判決があり、大阪高裁は1審の有罪判決を覆して無罪判決を言い渡した。 大阪市営地下鉄の電車内で乗客の女性=当時(18)=に痴漢行為をしたとして、大阪府迷惑防止条例違反の罪に問われた奈良県の男性会社員(35)の控訴審判決で、大阪高裁(瀧川義道裁判長)は9日、懲役4月、執行猶予5年とした1審大阪地裁判決を破棄、無罪を言い渡した。 1審判決は女性の証言について「具体的で生々しく不合理な点はない」と信用性を認めて男性を有罪としたが、瀧川裁判長は「証言は被告を犯人とする方向で具体的、詳細になるなど不自然に変遷しており、信用できない」と判断した。 (共同通信) 痴漢冤罪事件の傾向と対策については既にこのエントリなどでも何度も書いているのだが、警察・検察の調べ方がイイカゲンな現状のままで、罰だけを重くしたところで、このような例が増えるだけなのだ。 こういうことが増えてくると、痴漢事件が起こるたびに、冤罪ではないかと疑いたくなってしまう。世間の見方がそういう傾向に流れてしまうと、本当に痴漢に遭っている被害者が声を上げて犯人を訴えても、周りに相手にしてもらえない、などということになりかねない。 ところで、アメリカのサイトに面白いものを見つけた。「HTML入門」などの著書でおなじみのローラ・リメイ女史のブログ「limon」から。 No Contact Jacketという女性用ジャケットで、マサチューセッツ工科大学とAdvanced Research Apparelの共同研究によるもの。左の袖口に隠されたスイッチを押すと、生地から80000ボルトの電気ショックが与えられ、痴漢を撃退できるという。 武器や催涙スプレーと違って、奪い取られて反撃されるおそれもない。実に画期的なジャケットなのだが、満員電車の中で使われると周りの無関係の人たちにも迷惑が及びそうだ罠。 Technoratiタグ: 社会 | 痴漢 | 冤罪 |
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合掌 香田証生さん
数日前にイラクでザルカウィ一味と思われるグループに捕らわれ人質となって殺害された香田証生さんの最期の瞬間の映像が、犯人グループによってネット上にアップされた。 http://www.almjlah.net/vb/showthread.php?t=2179 http://www.ogrish.com/ http://www.ogrish.com/a/shosei_koda_beheading_video_on_american_flag.html かなり残酷な映像なので、全ての人に見ることはあえてすすめないが、日頃平和ボケしていてイラク情勢もゲーム感覚で見てしまいがちな我々にとって、戦争とは、テロとは、等々、色々と考えさせられた。散々言われて頭では分かっているはずの「イラクは危険」という言葉の意味が、この映像を見ることによってあらためて肌身にしみた。 およそ人間の所業とは思えないテロリストたちの行為には憤りを禁じ得ないが、それが実際に行われたという事実、そして、今も世界のどこかで現実に似たようなことが繰り返されているということには、目を背けてはならないと思った。 今回殺された香田さんは、いわゆる「自分探し」のためワーキングホリデー制度を利用してニュージーランドに渡り、そこから中東経由でイラクに入ったのだという。「今イラクで現実に何が行われているのか見てみたい」と周囲に語っていたのだそうだ。 周囲が止めるのもきかず危機感なしにイラク入りした軽率さを責めるのは簡単だ。しかし、香田さんは、テロの犠牲者であると同時に、ちまたで流行りの「自分探し」の犠牲者ではないか、という見方もある。若い人が将来の希望を持てない、自分を見つけられない、生きる意義を感じられない、そういうものを与えることができなかった日本の社会、日本の教育の問題点、などを考えると、第二第三の香田さんが出てきても不思議ではない、と感じた。 あらためて、香田さんの冥福をお祈りしたい。 Technoratiタグ: 社会 | イラク人質事件 | 香田証生殺害 |
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熱い!ヤバい!
間違いない!などと気勢を上げながら、裏では女子大生を酒で酔わせて強姦していた早稲田大学のイベントサークル「スーパーフリー」の代表・和田真一郎被告の判決公判が今日、東京地裁で開かれ、和田被告に懲役14年の判決が下された。 人一人殺しても14年も食らわないご時勢にあって、今回のこの判決は非常に厳しい。何をやったかというと、イベントに参加した女子大生を2次会に誘い込み、そこで強い酒を密かに飲ませてベロベロにさせ、意識混濁させて抗拒不能の状態にしたうえで、サークルの幹部ら十数人とともに、人目につかない飲み屋の階段の踊り場やサークルの事務所などにその女性を引きずっていってそこで集団で輪姦(マワシ)したというもの(詳しくはWikipediaのこのページを参照)。裁判で立件されたのは3件だったが、実際にマワシを行ったのは百件以上ともいわれ、被害者の女性は数百人にのぼるとみられる。 今回の事件では、和田被告とともにマワシに参加したサークル幹部ら13人も併せて逮捕・起訴され、全員に実刑判決が出ている。 やった本人らにしてみれば、悪ノリの延長ぐらいにしか思っていないかもしれない。他のサークルだって似たようなことをやっているのに、なぜ自分たちだけが見せしめにされなければならないのかと思っているだろう。しかし、地方から上京したばかりで右も左も分からない新入生を言葉巧みに誘いこみ、強い酒を無理強いして泥酔させ、見張り役や友達の女性のブロック役まで用意したうえで人目につかない場所に引っ張り出し、靴の泥を落とすマットの上に寝かせて10人以上もの大人数でレイプしたうえ、事後に口止め工作までしている。しかも、サークル幹部対象の合宿を定期的に開いてスペシャルドリンクの作り方やレイプのテクニックを伝授し合うなどまでしている。これらは到底、"悪フザケ"といった枠でくくれるものではない。 被害に遭った女性たちは今も過食症や過換気症候群などに悩まされ、家族ともども苦悩の日々を送っているという。公判で明らかにされなかったものも含めれば、実際にはこの何十倍、何百倍もの女性たちがこれ以上の傷を受け、しかも表に出されないまま今も苦しみ続けているはずだ。彼女たちはことによるともう生涯、マトモな恋愛はおろか、普通の社会生活すら送ることができなくなるかもしれない。彼女たちの抱えた心の傷は、永久に癒えることはないのである。 時代劇の筋書きでもヤクザVシネの世界でもどんな世界でも、女性を傷つける男というのは不逞の輩と決まっている。女性は、傷つけるものではない。悦ばせるものである。 自分は我慢しても、相手をキモチ良くさせてこそ、真の漢ではないか。 己の快楽充足のみのために、相手の女性の人格を一顧だにせず、まるで道具のように弄んだこれらの連中に贈る言葉として、このサイトの序文を引用して、しめくくりたい。 挽歌に代えて 稲門に学んだ者として、誇りある、気高い最期を見せてはどうか 人は生きるために生きるのではない 社会的生命を剥奪され、生き恥をさらし、余生といってよい冗長な時を過ごすことに何の意味があるというのか 償いは、現世でなさなければならぬ必然性はどこにもない 涅槃の永劫の刻を贖罪に費やすという選択もある そして、そうすることによって初めて、いつ果てるともしれぬ彼女たちの疼痛は刹那の和らぎを見せるのである Technoratiタグ: 社会 | 早稲田 | スーフリ | 性犯罪 | 雑感 |
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新潟ガンガレ、超ガンガレ
まず、新潟県で被災された方々には、心からお見舞い申し上げたい。 地震発生の時、僕は東京の自宅で横になっていたのだが、いきなり強い揺れを受け、たじろいだ。僕はあの阪神大震災の折、西宮で被災した経験がある。そのため、地震については、ちょっとの揺れでも敏感になってしまう身体になっているのだ。 その揺れは、震度的にはそれほど強い揺れではなかったのだが、ゆうに1分を超える長い揺れだった。神戸の震災の時は、その小さな揺れがだんだん大きくなっていき、ご存知の震度6~7に発展してしまったのを体験したので、この1分の間、その揺れ幅が大きくなっていくことだけをひたすら恐れ、揺れている間は生きた心地がしなかった。 幸いなことに、東京ではそれほど大きく揺れることなく収まった。安堵してTVをつけてみると、「新潟県のほうで震度6強」の地震だったと報じているのが目に留まった。震度6強といえば、阪神大震災と同レベルである。これはただごとではないのではないか――と胸騒ぎがした。 その懸念は不幸なことに現実となった。それからというもの、TVは地震特番一色となった。次々に明らかになっていく現地の被災状況、だんだん増えていく死傷者の数……事態は、まさに9年10ヶ月前の阪神淡路地域の再来であった。 被災した家屋の片付けもままならず車で寝泊りした家庭、電気もガスも水道も使えなくなって食料の調達もままならなくなり、避難所で食料の配給を待つ人々……僕たちが経験したそのままのことが、今まさに起こっているのである。 今回の地震は、ある面では神戸の震災よりも悲惨なのかもしれない。 まず、山古志村などでは村の外に出る道路が土砂崩れで塞がったことで外部との交通が完全に断たれてしまい、孤立状態に陥ってしまった。村民はヘリコプターで長岡市などの大きな街に避難することはできたが、当分の間は家に戻ることも叶わず、避難所生活を余儀なくされることになるだろう。 次に、被災者の大多数がお年寄りだということ。走って逃げることもままならない上に、急激な環境の変化でショックを起こし、地震そのものよりも、その後になってから亡くなってしまう方が増えているという。避難所の食事は十分に行き渡らない上にお年寄りの口には合わないものも少なくない。トイレも不十分で衛生面も心配だ。またこれから寒くなってくると風邪の流行も心配だし、特に日本海側では豪雪に見舞われることが予想され、ともすると命に直接かかわる。 避難生活が長引くと健康への影響も懸念される。震災直後は気が張っているからよいが、一週間ほどたって落ち着いてきた頃、ふと緊張が緩んだ時が一番危ない(僕も震災の一週間後に風邪をひいた)。 現地の工場や事務所の被害も深刻である。特に中小の酒蔵などが倒壊し、致命的な被害を負ったところも少なくない。阪神のときもそうだが、ある程度大きな会社なら別の安全な場所に臨時に勤務することも可能だが、被災地にしか勤務場所がないような会社の場合、直接その存立にかかわる事態ともなろう。 交通機関の寸断も問題だ。特に新潟などでは通勤や日常の足にクルマを使っていることが多いだろうから、その手段が断たれるということは、足をもがれたにも等しい不便を強いられることになる。 しかし、救いもある。頼りない政権政党だった阪神と異なり、今回は政権が(良くも悪くも)しっかりした体制だったので、緊急事態に即応することができたのはさすがだと思う。まだまだ不十分な面も多々あろうが、復旧作業に一生懸命になっている人たちを前にして、不手際を安易に責めることはできない。 阪神のときはNifty-Serveなどのパソコン通信が安否情報などの提供に大活躍した。時代が下ってインターネット全盛となった現在では、2chなどを中心に情報集積拠点が作成され、情報が持ち寄られて共有されている。ITを使ったこうした草の根的な活動は、何よりの力だ。 今回の地震は僕にとってはとても他人事とは思えないので、とりあえず僕にできることをしようと考え、ささやかながら赤十字と共同募金に義捐金を送った。しかし、今はこのように県外の人たちが注目し同情してくれているが、あと数ヶ月して、誰も見向きもしなくなった時が被災者にとってはるかに辛く苦しいのである。特に家を失くした人たちにとっては、何ヶ月もの避難所生活に加え、家が再建されるか恒久住宅に入れるまで長ければ何年もの仮設住宅での生活を余儀なくされるだろう。十年単位の息の長い支援が求められる。 そして、忘れてはならないのは、台風23号の被害もまだ終わったわけではないということだ。 Technoratiタグ: 社会 | 災害 | 新潟地震 |
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架空請求を無視し続けると……
最近問題になっている架空請求。対策は、「ひたすら無視」するのが定石とされてきたが、無視し続けると大変なことになることもある。 カギは、最近制度化された「少額訴訟制度」。これは、60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、通常の裁判よりも少ない訴訟費用で迅速に手続きができるというものである。この制度を利用して、簡易裁判所に対して架空請求の金額の支払いを求める申し立てを行う業者がいるという。 申し立てを受けると、簡易裁判所は、被告(架空請求される人)に対し、訴状と審理の日程などが書かれた書類を特別送達で送る。この特別送達郵便を受け取ってもなお無視して、審理の日に出廷しないと、「欠席裁判」ということになり自動的に被告敗訴の判決が下される(通常、その日のうちに判決が言い渡される)。 そうなると、これまで「架空請求」だったものが、裁判所の裏付けのある「正当な請求」に変わり、それを支払わなければならなくなってしまうのである。 しかも、少額訴訟制度を利用した裁判の判決に対しては、控訴することができないことになっている。判決に不服があるときはその簡易裁判所に対して異議を申し立てることは可能だが、異議申し立てによる再審理(異議審)はほとんどの場合少額訴訟を担当したのと同じ裁判官によって担当されることが多いため、異議審によって元の判決が変わることは非常に稀と考えられる。つまり、一度被告敗訴が言い渡されたものは、よほどのことがない限り覆ることがないのである。 通常の架空請求は無視してもよいが、裁判所から特別送達がもし届いたら、絶対に無視してはいけない。弁護士か消費生活センターに相談しよう。 Technoratiタグ: 社会 | 裁判 | 架空請求 |