新生銀行に口座開設

前回、金融機関を選ぶ際は東京三菱銀行+Union Bank of Californiaが最適と書いた。しかし、東京三菱銀行はやはり日本の古典的な銀行の域を出ず、今一つ使い勝手の点でよろしくない。まあ決済用と割り切ってしまえば我慢もできるのだろうが、ATMでの入出金が24時間365日可能ではないというのは、僕のような勤め人には非常に不便だ。
その点、シティバンク(シティバンク・エヌ・エイ銀行。アメリカのCITIBANKの日本法人)であれば、24時間365日ATMでの入出金が可能だ。しかし、いかんせん外銀ということで、いろいろな制限がある。まず、公共料金の自動引き落としが充実しておらず、電気・ガス・水道・電話料金やNHK受信料の口座引き落としには対応していない。これはシティバンクの責任ではないのかもしれないが、ユーザとしては使えないことには変わりがない。また、シティバンクの預金は、円預金・外貨預金含め、預金保険機構の保護が一切ないという問題もある。かといって、シティバンクはアメリカのCITIBANKとは全く別の会社という扱いなので、アメリカの銀行でもなく、アメリカのFDICの保護の対象からも外されている。つまり、シティバンクが万一破綻すれば、そこに預けている預金は全部、パーということだ。さらには、50万円以上(外貨預金にすれば20万円相当額でよいが)預金がないと口座維持手数料が月2100円取られてしまうし、100万円以上預金がないとシティバンク以外のATMでの操作に手数料が取られてしまう。富裕層には無問題だろうが、僕のような貧乏リーマンにとっては、いささか使い勝手がよろしくない。
僕が社会人になった1998年当時は、日本の銀行の信用度は地に落ちていたし、グローバル・スタンダードが広く唱えられていたということもあって、上述のような不便があっても、アメリカ系の銀行ということで信用があり、かつ充実した外貨預金や先に述べた24時間365日ATMサービスなどの先進的なサービスに魅せられて、メインバンクとして利用していたのだが、今となってはUBOCをはじめとする純粋なアメリカの銀行口座が簡単に開けるようになったし、また日本国内の銀行業界も、信用度はともかくとして、少なくとも形だけはかなり再編成されて変わってきた。
中途半端なアメリカ系銀行ではなく、純粋なアメリカの銀行で資産管理することができる今、日本国内のメインバンクとしてシティバンクにこだわる必要はなくなってきた。シティバンクのもつメリットを備え、かつデメリットをカバーした銀行というのはないものか。
そこで注目したのが、新生銀行なのである。
新生銀行はもとは日本長期信用銀行で、それが破綻して一旦国有化されたあと、アメリカのリップルウッドによって買収され、民間の銀行として再生したものである。その新生銀行にパワーフレックス口座というのがあり、そこに口座開設すれば円預金・外貨預金の口座が自動的に作られる。円預金口座は給与振込、公共料金の自動引き落としが可能となっている。
口座開設はWeb上からメールオーダーの用紙を取り寄せ、それに必要事項を記入し、本人確認書類を2種類添付して郵送すればよい。印鑑かサインのどちらかを届け出ることができるので、印鑑というものを認証手段としてあまり信用していない僕は、サインを書いて送った。
1週間ほどすると、スターターキットのようなものが自宅に届いた。取引方法が書かれたマニュアル、規約、キャッシュカードと、月一回送られるステートメントを綴じるホルダーが封入されている。
新生銀行パワーフレックス口座
シティバンクやUBOCと同様に、預金通帳というのはなく、月に一回、取引明細が書かれたステートメントが送られてくる形になっている。通帳だといちいち銀行まで記帳に行かなきゃいけなくて不便だし、もう今は通帳という形式は時代遅れなのかもしれない。
キャッシュカードの暗証番号は、別便で郵送されてくる。その暗証番号は、テレフォンバンキング(新生パワーコール)を使って電話で変更可能である。
キャッシュカードは、新生銀行のATMはもちろん、郵便局のATM、セブンイレブンの中にあるアイワイバンクのATMで入金・出金ともに可能。もちろん、24時間365日利用できる。そして何より嬉しいのが、預金残高にかかわらずこれらの操作の手数料が完全無料というところだ。
ネットバンキングももちろん可能で、ネット経由での振り込み、預け替えなどが可能となっている。そして、振込手数料は他行宛であっても月5回までであれば無料なのだ。
キャッシュカードのスキミング対策もバッチリだ。万一スキミングで被害に遭ったとしても、ある一定額(300万円ぐらいだったと思う)までは補償してくれるシステムをいち早く整えた。
こうしてみると、シティバンク・エヌ・エイ銀行で可能だった先進的なサービス(ATM入出金24時間365日可能、外貨預金、ステートメントによるバランスシート管理、など)は、ことごとく新生銀行でも実現されていることがわかる。やはりアメリカ資本が入っている銀行の強みだろうか。しかも、シティバンクでは必要だった各種手数料が、新生銀行では一切無料というところが心憎い。
新生銀行の唯一の弱点は、ネットでの海外送金ができないというところなのだが、これについては、東京三菱銀行なりの自分の口座に振り込んで(手数料無料)、そこから海外送金すれば無問題だ。少額の送金ならPaypalという方法もあるし。
給与振込も公共料金の自動引き落としも全く制限なく指定できるし、ということは、新生銀行一行をメインバンクとしておけば、お財布代わりに使う決済口座としてはすべてのことがまかなえるということになる。
これを機に、僕の銀行口座も整理することにした。僕が今持っている銀行の口座は

シティバンク・エヌ・エイ
1998年に社会人になったのを機に開設。給与振込、クレジットカード引き落とし、新聞料金の引き落とし等でフル活用していたが、最近給与振込口座は東京三菱銀行にシフト。
東京三菱銀行
いま住んでいる家の家賃と駐車場代の振込口座がこの銀行だったので、同じ支店の口座を開設し、ネットバンキングで振込手数料無料で毎月振込に利用。そのほか、電話料金、水道料金、電気料金、ガス料金などの引き落とし口座としても利用中。
中央労働金庫
ソアラのローンをここで組んでいるので、ローンの引き落とし口座として利用。
UFJ銀行
子供の頃、初めての銀行口座として開設(当時は三和銀行)。現在はほとんど使っていない。残高もゼロに近い。
三井住友銀行
学生時代から社会人初期にかけて利用(当時、住友銀行)。現在はほとんど使っていない。残高もゼロに近い。
みずほ銀行
社会人初期に埼玉で独身寮暮らしをしていた頃、お財布代わりにシティバンクを補完するメインバンクとして利用(当時は富士銀行)。現在はほとんど使っていない。残高もゼロに近い。
りそな銀行
どうして開設したんだかわからないけど口座がある(当時、あさひ銀行)。もちろん現在はほとんど使ってなく、残高もゼロに近い。

がある。クルマのローンの引き落とし口座として指定されている中央労働金庫はそのままにするしかないが、とりあえず、使ってない三井住友、UFJ、みずほ、りそなはさくっと解約して、あとは給与振込口座と公共料金・クレジットカード引き落とし口座をすべて新生銀行に一本化してから、シティバンクも解約しよう。家賃などの振り込みもわざわざ東京三菱からでなくとも新生から行えば手数料を無料にできるので、東京三菱も解約したいところだが、海外送金用に残しておいても害にはならないので、口座だけは維持しておくことにする。
こうして、国内の決済口座としては新生(&労金)、資産を蓄積する(&海外取引する)口座としてUBOC、国内⇔海外の移動用に東京三菱、この3本立てにしておけば、当面は問題なく管理できることだろう。目下の最大の問題は、その 資 金 が 少 な い ということだけだ。

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