合掌 香田証生さん

数日前にイラクでザルカウィ一味と思われるグループに捕らわれ人質となって殺害された香田証生さんの最期の瞬間の映像が、犯人グループによってネット上にアップされた。
http://www.almjlah.net/vb/showthread.php?t=2179
http://www.ogrish.com/
http://www.ogrish.com/a/shosei_koda_beheading_video_on_american_flag.html
かなり残酷な映像なので、全ての人に見ることはあえてすすめないが、日頃平和ボケしていてイラク情勢もゲーム感覚で見てしまいがちな我々にとって、戦争とは、テロとは、等々、色々と考えさせられた。散々言われて頭では分かっているはずの「イラクは危険」という言葉の意味が、この映像を見ることによってあらためて肌身にしみた。
およそ人間の所業とは思えないテロリストたちの行為には憤りを禁じ得ないが、それが実際に行われたという事実、そして、今も世界のどこかで現実に似たようなことが繰り返されているということには、目を背けてはならないと思った。
今回殺された香田さんは、いわゆる「自分探し」のためワーキングホリデー制度を利用してニュージーランドに渡り、そこから中東経由でイラクに入ったのだという。「今イラクで現実に何が行われているのか見てみたい」と周囲に語っていたのだそうだ。
周囲が止めるのもきかず危機感なしにイラク入りした軽率さを責めるのは簡単だ。しかし、香田さんは、テロの犠牲者であると同時に、ちまたで流行りの「自分探し」の犠牲者ではないか、という見方もある。若い人が将来の希望を持てない、自分を見つけられない、生きる意義を感じられない、そういうものを与えることができなかった日本の社会、日本の教育の問題点、などを考えると、第二第三の香田さんが出てきても不思議ではない、と感じた。
あらためて、香田さんの冥福をお祈りしたい。

イラク 人質解放に寄せて

イラクで人質として約1週間拘束されていたカメラマン、ボランティア、フリーライターの3人が、昨日無事に解放されたというニュースが入った。拘束当初は目隠しをされ、後ろから銃を突きつけられているショッキングな映像が流されたために日本中がやきもきさせられたが、あれは犯人グループが政府を効果的に脅すために演出しただけのようで、実際には民家を転々としてホテル暮らしよろしく厚遇されていたそうだ。
この事件は自衛隊をイラクから撤退させるために人質たちが自作自演したものだ、などという説もまことしやかにささやかれるほどだ。“人質”たちが常日頃から自衛隊イラク派遣反対を唱えていたこと、ボランティア&フリーライターが所属していたNPO団体が筋金入りの極左組織で、朝鮮労働党の下部組織とのつながりまで噂されていること、彼らが拘束され目隠しをされていたとき、犯人と身振りで会話するなど余裕の態度を見せていたこと、“人質”の家族たち(特にボランティア&フリーライターの兄弟姉妹たち)が東京での会見で事あるごとに自衛隊撤退を電波ゆんゆんで訴えていたこと、解放時に“人質”たちの顔に無精ヒゲひとつなくキレイに剃られていたこと、などなどの事実がそれを裏付けていると、この説の支持者は主張している。真実はどうあれ、ともかく今は3人とも命が助かったことだけを喜びたい。
政府の退避勧告を無視して丸裸で危険地域に飛び込んでテロリストに捕まって日本中を騒がせ、あげくの果てに救出に何十億円も国民の血税を使わせた三馬鹿トリオがこれからみっちりと油を絞られるのは当然のことだが、気になるのは、これを機に、政府が出している退避勧告に法的強制力をもたせ、特定地域への渡航を禁止する法規制を加えようという動きがあることだ。このように、一部に馬鹿が出ると、「何度言っても国民は思い通りにならない。全体的に法の網をかぶせて規制してしまえ」という発想に陥り、くだらない規則が増えていく。
一部の人間の不行跡のせいで全体に規制を加えるのは日本のお上の典型的なパターンだが、そろそろこんな発想はやめにしてはどうか。一人前の大人の行動までいちいち規制するのは余計なお世話というものである。政府自身も、一般人のイラクへの入国は「自己責任」だと言っているではないか。危険地帯に足を踏み入れて、そこで命を落としたとしたら、それは自分が悪い。ソマリアやリベリアの戦場の従軍カメラマンだってそうじゃないか。イラクだけ例外的に取締りを強化しようとするのは、その裏に怪しげな政治的意図が見え隠れしていると勘ぐりたくなる。
新聞がこぞって彼らを批判しているのも疑問だ。自社の報道記者を引き揚げさせ、フリーのカメラマンや記者に情報を頼っているのは、ほかならぬ自分たちではないのか。敢えて自らの危険を顧みず取材しに行った彼らから情報を買って記事を作っている報道メディアに、彼らを非難する資格があるのか。
あと、人質の家族の会見での態度を批判するだけならともかく、中傷電話や脅迫状が多数舞い込んだことも、日本人の民度の低さを示しているようで残念だ。確かに今回の人質たちの行動は軽率だったかもしれないが、少ない情報の中その安否を気遣ってナーバスになっている家族たちを叩くような行為は、厳に慎みたい。若い弟妹たちの感情的な発言に不快感を抱いたことがあったのは確かだが、「死ね」などと書いてよこしたり、仏具の「チーン」という音だけの電話をかけられなければならないいわれがどこにあろう。
今この時期にイラクに行こうとすることは、「不倫」と同じようなものだと考えるとわかりやすい。つまり、周りに迷惑をかけることも折り込み済みで自分で全責任が取れるのであれば、勝手にやって構わない。それができないのならするな、ということだ。そしてそれによってトラブルに巻き込まれたとしても、国は助けてやる必要などない。もともと国のアドバイスなど聞かずに行動した人がたとえ政府によって助けられても、関係者の不眠不休の奔走に感謝するどころか、傍迷惑なことをされたぐらいにしか思っていないのだから。