坊っちゃん

Kindleも最近は日本語書籍が読めるようになったので(といっても著作権切れの古典ばかりだけど)、「大日本帝国憲法」とか「学問のすすめ」とかいろいろiPadに落としてるのですが、この休みを利用して「坊っちゃん」を読んでみました。
「坊っちゃん」は小中学生時代に夏休みの読書感想文のネタとして毎回(提出先の担任が毎年違うので)使わせてもらって、いつも似たような内容で提出していたんですが、大人になってから再度読み返すと、純朴な当時には見えなかったものがいろいろ見えてきました。
マドンナとは赤シャツ教頭のなじみの芸者のことだと思ってたんですが、実はそうじゃなく、うらなり先生の許嫁の女性のことで、それを赤シャツが略奪した上、お人好しのうらなり先生を僻地にまで飛ばしたこと、そのやり方に怒った山嵐先生と赤シャツとの仲が悪くなったこと、そのさなかに赴任してきた主人公は、最初赤シャツ陣営に言葉巧みに引き入れられそうになり、釣りに連れて行かれたり、山嵐の悪口を吹き込まれたりしたせいで、いったんは山嵐と喧嘩状態になったこと、しかし赤シャツらの人間性が疑わしく、さらに下宿の婆さんに事の顛末を聞き及んでからは山嵐と和解し、以後は山嵐と協同戦線を張るようになったこと、赤シャツは山嵐までも排除しようとして、弟を利用して、山嵐と主人公を生徒と他校生との喧嘩の中に放り込んで暴れさせ、それを新聞に書かせて悪者に仕立て上げたこと、以上は今回初めて知りました。今まで何を読んできたのやら…。
なんだ全部女がらみのトラブルか。
それにしちゃ最後の制裁の加え方がしょぼいな。

ナショナル麻布スーパーマーケット閉店

National Azabu Supermarket
輸入ものの食品や日用品、本、文房具、化粧品などを売っている広尾のナショナル麻布スーパーマーケットが建物の老朽化のため本日をもって閉店しました。
広尾地区は、会社の研修センターがあった関係で、けっこうよく訪れる場所でした。若手社員のころ、TOEICのテストやら英文ライティング研修やらビジネススキル系の研修やらでちょくちょく研修センターに行っては、帰りにはここのスーパーに立ち寄って外国人の買い物客を見に行ったものでした。だいたいがアメリカ人で、仕事で成功しいっぱい稼いでこういうスーパーで買い物できる身分になっているのを見るにつけ、これから仕事頑張ろう、英語頑張ろう、頑張ってこういう人たちみたいに成功者になりたい、と思ったものでした。
そうこうしてるうちに、何年かたつと研修センターが他の場所に移転してしまい、またここのスーパーで売ってる輸入品も、今ではネットで現地価格で買えるようになりました。何よりも、アメリカの今の状況を見るにつけ、アメリカが必ずしも成功者の目標でなくなったということがあります。
このスーパーは私にとって非日常の空間を与えてくれた夢の場所だったんですが、時代の移り変わりとともに、成功のシンボルとしての役割は終わったのかもしれません。このスーパーがなくなった今、もう広尾に行くこと自体、あまりないでしょう。

ねりたんアニメプロジェクト

Neritan_Anime_Project.jpg
私の住んでいる練馬区はアニメの発祥の地とのことで、日本初のアニメ映画が1958年に出て以来ずっと、有名な東映アニメーションをはじめ、90社以上のアニメ関連会社が集積した場所だそうです。ドラゴンボール、ワンピース、ニンジャタートルズ、セーラームーンなどはここで制作されています。
練馬区主催で、「ねりたんアニメプロジェクト in 大泉」というのが今日、大泉在住の漫画家・松本零士氏を招いて西武線の大泉学園の駅近くで行われています。松本零士氏は「銀河鉄道999」で有名な漫画家で、「銀河鉄道999」は80年代の子供ならこの漫画を知らない人はいないというぐらい有名な作品です。若い人たちのために説明すると、「銀河鉄道999」は高度技術文明が栄え、「機械の身体」を持った人々が人間性を失っていっている未来の宇宙を舞台にした作品で、星野鉄郎という少年が不滅の機械の身体を手に入れることで永遠の命を求めていますが、機械の身体は高価で、ただ惑星アンドロメダに行けばそれをタダで手に入れられるといわれています。惑星アンドロメダは銀河鉄道999の終着駅であり、そのため鉄郎は銀河鉄道に乗りたいと思っています。鉄郎は、亡き母の面影を残した美しい女性メーテルと出会います。メーテルは、鉄郎にもし自分と一緒に来てくれるなら999のパスをあげると言い、鉄郎は同意して、999での旅が始まります。999では、鉄郎とメーテルの旅にかかわる厳格で不思議な車掌さんを交え、物語が展開していきます。
「銀河鉄道999」の初出は1978年で、今年がちょうど30周年にあたります。
式典では松本氏が西武鉄道から大泉学園の一日駅長に任命され、「銀河鉄道999」の「車掌さん」が名誉駅長に任命されました。
Leiji Matsumoto making a speech
任命式のあと松本氏がスピーチをし、自分が大泉に住む事になったのは運命だと語りました。福岡から上京時、ほんとに「たまたま」この地に住み始めたそうですが、ある日近くを散歩していると、牧野庭園(植物学者・牧野富太郎の邸宅跡)を見つけ、ちょうどそのとき処女作である昆虫をテーマにした漫画を描いていたところで、同じ生物を取り扱うということで、牧野富太郎が自分をここに呼んでくれたんじゃないかと感じたということです。
運命ということなら、私も「たまたま」銀河鉄道999の原作をほんの2週間ほど前から「エマ」といっしょに読み始めていたところなのでした。読み始めた頃はこんなイベントをやることなどつゆ知らず。きっと銀河鉄道999を読んだのも、このイベントに出たのも、運命といえるかもしれません。
アニメは今やヲタのマニアックな趣味にとどまらず、今日の日本の重要な産業の一つとなっています。日本経済が長らく停滞し、日本のテクノロジーも稼げなくなってきている今、アニメが将来の日本人にとっての大きな救世主となるのかもしれません。
関連する写真をFlickrにアップロードしました。

メイドにはまる

浅見光彦の家のメイドさんは須美ちゃんという人なんですが、ドラマではいまいちパッとしません。須美ちゃんに「名探偵ポワロとマープル」に出てくるメイベルのようなメイド服を着せて、いっそのこと浅見家全員イギリス風にしてみたらどうなるかな~なんて妄想し、コインランドリーの待ち時間に近くの本屋さんに立ち寄ってぶらついていると、たまたま見つけました。
Emma.jpg
森薫「エマ」
表紙を見ると、なんとなくイギリスのメイドのお話のように見えたので、ためしに1巻を1冊買って読んでみました。
はまってしまいました……。エマみたいな女性、現実にいたら世の男性はほっとかないだろうな~という感じ。二次元に萌える人の気持ちが少しはわかってきたような気がします。一週間で4巻まで一気に買って読んでしまいました(3巻以降はブッ○オフですが)。
いわゆる「アキバ系」の萌え系メイドではなく、ちゃんとしたヴィクトリア朝時代にいたメイドのお話で、森薫や村上リコのマニアック綿密な時代・風俗考証のおかげで、きちんとした中身に仕上がっています。私は先週たまたま見かけて知ったのですが、初出は2002年とのことで、けっこう前から出ているようで、少なくとも昨今の「メイドブーム」よりは前からのようです。かなり評価は高いようで、何ヶ国語にも翻訳され、アニメにもなって、youtubeにも断片がいろいろ投稿されています。
私はアメリカ好きなんですが、イギリスもいいかも、と思ってきました。ロンドンとか、ヨークシャーあたりに「エマ」をたどって旅行してみるのもいいかな~なんて思っていたら、もう既に行った人がいるようです。まあイギリスは物価も高そうだし行く金もないのでブリティッシュヒルズで我慢しようと思います(汗)。