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  • 西部警察スペシャル

    最近の子供たちに「太陽にほえろ!」を見せると、「ボスって係長なのにどうしてあんなに偉そうなの?」と質問されるらしい。刑事ドラマでは、現場の平刑事たちが(ときには独断専行で)突っ走り、係長や課長は後方でオロオロしているもの、という固定観念があるようだ。 確かに、昨今の刑事ドラマの傾向としては、そのような作りになっているものが多い。しかし、故石原裕次郎健在の70年~80年代では、刑事ドラマとは、リーダー(石原裕次郎・渡哲也)の指揮のもとに刑事たちがアクションシーンバリバリの大活躍をみせる、というのが定番だった。 特に、「太陽にほえろ!」と「西部警察」はその両巨頭だった。そのころ子供だった僕たちは、「太陽にほえろ!」の渋い刑事たちに惚れ、「西部警察」の型破りなアクションシーンに圧倒されたものだった。 その「西部警察」が、番組終了から20年の時を経てリメイクされたものが今日の午後9時からテレビ朝日系で放送された。本来は去年放送されるはずだったものが、撮影のときに事故を起こしてしまったため放映が1年延長されたのだ。 「西部警察」本放送の頃は平刑事だった鳩村刑事(舘ひろし)が新団長で、その配下に若手の刑事がいる形だった。部下の1人に戸田菜穂演じる女性刑事(爆弾処理係)がおり、若き日の古手川祐子(大門団長の妹の役)の雰囲気を髣髴とさせていた。そして、死んだはずの大門団長(渡哲也)はなんと課長として蘇っていた。 さてストーリーだが、女性刑事の父親(警察庁の要職にある)らが参加するサミットが開かれている宮崎県のホテルに、神田正輝演じるテロリスト集団が侵入し、その父親らを人質にとって占拠する。そしてテロリストの要求を呑まなければ人質を処刑する、と通告される。「テロには絶対に屈しない」という警察庁上層部の方針のもと、人質の救出を西部署に委ねられる……というもの。まさにイラク戦争まっただ中の時代に非常にタイムリーなネタであった。 人質になっていた父親は結局“処刑”されてしまうのだが、ちょうど今日イラクで人質になっていた日本人が殺されたことが明らかになったこともあり、微妙な気分にさせられた。 銃撃戦などのアクションシーンは迫力満点だったが、爆破シーンは無理やり入れたような、無駄に爆発するシーンが多かったように思えた。 新人の橘刑事役の徳重聡は「21世紀の石原裕次郎」というふれこみでの登場だったというが、やはり渡や舘の前では存在感がかすんでいたようだ。セリフの語尾切りも気になったし、一般に若手刑事たちは演技力が???といった印象であった。 特撮技術は昔よりはるかに進化しているはずの今回のリメイク版であったが、総合的に見ると、実写ですべてこなしていた昔の「西部警察」には到底及ばない、という感じである。そういえば「太陽にほえろ!」も数年前にリメイクされたことがあるが、やはりパッとしなかった。石原裕次郎は永遠に不滅といったところか。 Technoratiタグ: テレビ番組 | 西部警察 | 雑感 |