多重債務問題について

[貸します詐欺]リストラ生活苦に追い打ち…40代男性自殺

 リストラで生活苦に陥った関西の40代男性派遣社員がこの春、多重債務を一本化しようとして「貸します詐欺」に遭い、自ら命を絶った。「もう これまでかな……」。その後、遺族はパソコンに残された文章を読み、初めて自殺の理由を知った。国会では貸金業規制の関連法改正案の審議が続くが、多重債務を防ぐセーフティーネット作りを急がなければ、被害はなくならない。【多重債務取材班】
 男性は大手メーカーの下請け会社をリストラされ、派遣社員として工場を転々とした。離婚して一人で公営住宅に住み、月給が20万円を切るようになっても、妻子が住むマンションのローンを月11万円払っていた。「家族には住まいを残したかったようだ」と、兄(48)は言う。
 5月2日。山中に止めた車内で、練炭を燃やし亡くなっているのが見つかる。車内に妻子あての遺書があり、高校生の長男には「社会人になって お母(さん)をたすけてやれ 借金はするな」と書かれていた。
 動機に心当たりのない親族は遺品のパソコンを開いた。そこには自殺までの経緯が克明に記されていた。
 仕送りや生活費が足りず、男性は消費者金融4社に170万円の債務を抱えていた。返済に行き詰まった時、新聞の折り込みチラシで超低金利の融資をうたう業者を知る。東京都知事への貸金業登録番号も書かれている。電話をかけると「年5.2%で200万円融資するので、保証金として消費者金融から70万円を借りて送金するように」という。これで月々の返済を6万円から2万円に減らせるはずだった。
 4月28日。送金したのに約束した融資の入金はない。業者への電話は突然、通じなくなった。
 翌29日。男性は警察署に駆け込んだが、「なぜそんな言葉を信じたのか。第三者に相談したら、それはおかしいだろうと誰でも言うはずだ」と言われた。
 パソコンの文章は次の言葉で終わっていた。「私は信じました。誰にも相談しなくても、うまく(債務一本化の)契約が出来たら良いなあと思っていました。もう これまでかな……」
 ■解説 貸金業規制法など関連法改正案は衆院を通過し、上限金利は09年末までに年29.2%から20%に下がることがほぼ確実となった。しかし、非正規雇用者や高齢者ら低所得層にとっては、依然として高い金利だ。
 国民生活センターによると、多重債務者が消費者金融から借り入れを始めた理由のトップは「収入の減少」で、その時の年収は3人に1人が200万円に満たない。
 岩手県消費者信用生活協同組合では、自治体、弁護士会、金融機関と連携した低利ローンを行っている。年9.25%で上限500万円。債務整理などの無料カウンセリングには年5000人が来る。だが、こうした取り組みはまだ一部地域にとどまっている。
 借金の問題は誰にも相談できない人が多い。詐欺やヤミ金融はそんな多重債務者の心理につけ込み、自殺にまで追い込んでいる。政府は内閣官房に「多重債務者対策本部」を設ける方針だが、公的融資や相談態勢の拡充など新たな施策を早急に打ち出さなければならない。
2006年12月02日15時31分 毎日新聞


さっさと、自己破産しちゃえばよかったのに。
マンションを買ってたから、破産できなかったのかな。
自己破産がだめでも個人版民事再生ならマンション手放さずに済むだろうし、高利の業者だったらちゃんと弁護士入れたら過払い金の返還だって請求できるし、ましてやヤミ金みたいな違法業者だったら払わなくても済むかもしれないのに。
そういう選択肢はなかったんでしょうか・・・。
借金は、しないで済むのならしないに越したことはないです。
あたりまえですが。
でも、世の中、生きていればいろんな失敗があります。
経済的なこともしかりです。
失敗した人を「自業自得」だと責めるのは簡単です。でも、あなたがそうならないという保証は、どこにありますか?
特に日本人は失敗を恐れて何事も慎重に行動する傾向が強く、失敗しないような備えは十分すぎるほど用意しますが、その割に、失敗したときの対処法を考えていないことが多いようです。
「失敗しないように」注意することはもちろん大事ですが、もっと大事なのは、「失敗してしまったときにどうやって立ち直るか」だと思うのです。
この人の負債は、消費者金融の170万+貸します詐欺業者に払った70万の計240万とのことですが(マンションのローンは除きます)、もう亡くなってしまった人に言うのは酷なのですが、240万ぐらいで自殺するなんて、全くナンセンスなことです。
弁護士事務所に駆け込めば済んだ話なのです。
この人は被害に遭ったあと、警察に相談して適当にあしらわれたようですが、警察ではなく弁護士に相談するのが正解だったのです。
そういうことを、知らない人が多すぎるのが問題なのです。
世の中、資産運用の方法とか、お金で成功するための方法についてはいろんなところで教えてもらえますし、教わりに行く人も多いですが、債務整理の方法はそうそう教わる機会なんてありません。
でも、お金で失敗してしまったときにどう対処すればいいかというのをちゃんと知っておくことが大事だと思います。
特に、社会に出たばかりの、マネープランを自分で考え始めたばかりの若者にこそ、そういうことを教えておくべきです。
お金で失敗しないようなマネープラン教育はもちろん必要ですが、「失敗したときにどうすればいいか」をあらかじめ知っておけば、仮に借金が増えて首が回らなくなったって全然怖くないということがわかるはずです。
合法的に、解決する方法がいくらでもあるからです。
自殺は最悪の解決方法です。残された家族が悲しむようなことがこれ以上増えないことを祈るばかりです。

Comments コメント

One response to “多重債務問題について”

  1. 債務整理道場 Avatar

    グレーゾーン金利を適用すると

    債務整理を行った場合、もしかしたら利息制限法で再計算することで借金が無くなること…