Month: March 2004

  • 女子マラソン選考会

    今日行われた女子マラソンのアテネ五輪出場代表選手選考会で、野口みずき選手(グローバリー)、坂本直子選手(天満屋)、土佐礼子選手(三井住友海上)の3名が代表に選ばれた。野口選手は昨年のパリ世界陸上で銀メダル、坂本選手は今年の大阪国際女子マラソンで優勝、そして土佐選手は昨日の名古屋国際女子マラソンで逆転優勝を果たした。注目の高橋尚子選手(スカイネットアジア航空)は、昨年の東京国際女子マラソンで失敗したのが響き、選に漏れた。 今回の選考は、昨年の世界選手権と国内3レース(東京、大阪、名古屋)の計4レースが代表選考会に指定されており、(1)世界選手権でメダルを獲得した中で日本人最上位(2)それ以外は選考レースの上位者の中で五輪でメダル獲得もしくは入賞が期待できる――の基準で選考が行われたという。野口選手は(1)を満たしたため早々に内定を決めていたが、(2)の基準を満たす選手をどのように決めるかが今回の焦点となった。 坂本選手は、大阪でぶっちぎりの独走で文句なしの優勝していた。残る一人は、名古屋で優勝するか、優勝者がなければ高橋尚子選手が最有力候補と目されていた。高橋選手は昨年の東京で後半失速して2位に終わっており、名古屋で再挑戦するかどうかが注目されていたが、名古屋大会はアテネ本番に日程的に近く、名古屋に出場して仮に優勝し代表に選ばれたとしても、本番への調整が難しくなることが懸念されるということで、名古屋への出場を見送った。名古屋に出場する選手はあまり知名度の高くない選手ばかりで、さほど好記録が出ることもないだろうという計算も働いたのかもしれない。しかし、ふたを開けてみると、土佐選手が選考4レース中最高記録で優勝する結果となった。 選考では、野口選手、土佐選手が早々に決まり、坂本選手と高橋選手のどちらにするかで接戦だったという。坂本選手は確かに大阪で独走優勝だったが、タイムは4レース中最も遅かった。むろん、大阪大会のときは雪まじりで気温が極端に低く、コースコンディションが最悪だったという悪条件のためではあったが、まだ若くてマラソン出場回数も少なく経験も浅い彼女が果たしてオリンピックという大舞台に立って大丈夫なのか、実績のある高橋選手のほうがふさわしいのではないか、という意見もあった。しかし、最終的には、選考レースの結果を重視し、坂本選手のほうを選んだとのことである。 選考方法としては、一番すっきりして、順当なやり方だったのではないだろうか。落選した高橋選手は不運だったであろうが、名古屋に出場してすっきり優勝していれば文句なしに選ばれていたものを、あえてそれを選択せず、運を天に任せたのであるから、その賭けが外れたのは本人の選択の結果であり、彼女自身も納得しているに違いない。 実は、坂本選手は、僕と同じ高校の出身なのである。もちろん僕よりずっとあとになってから入学してきたので、直接顔を合わせたことがあるわけではないのだが、同じ高校の卒業生ということで、親近感がわいていた。だからというわけではないが、坂本選手については、これまでのレースをずっと見てきており、今年の大阪はぜひとも大活躍してくれることを期待していた。その期待に応え、今回、代表に選出されたことは、先輩としてとても嬉しく、同郷の人間として非常に誇らしい。おめでとう、後輩よ。アテネでも活躍を祈っている。

  • 翻訳入門

    辻谷真一郎「翻訳入門」を読む。プロの翻訳家を目指す人のための、翻訳の考え方と実践方法についての解説書である。この本は単なる翻訳の技術の指導書ではなく、英語を日本語に翻訳するにあたっての考え方、心構えから説いている。 著者は、翻訳とは「日本人ならどう言うか、どう書くか」を基本とするべきだと説く。たとえば、I am a teacher. という文をどう訳すか。受験英語に慣れた感覚で見ると、「私は先生です」という訳にしたいところだが、普通、日本人が自分のことを「先生」と言うかどうか。「私は教師をしています」と言うのではないか。いや、もっと簡単に「教師をしてます」で良い。要は、英語の翻訳だからといって〈よそいきの日本語〉を使うのではなく、我々が本来使っている日本語を使って表現するべきなのだということである。 著者は、この手法をバドミントンになぞらえて説明する。バドミントンでは、シャトルをラケットで打つとき、ラケットの面を相手のコートに向け、シャトルとラケットを同時に見ながらラケットをシャトルに当てていく方法が最も簡単である。それに対して、包丁を持つような握り方でラケットを持って打つ方法があり、このフォームは物を投げるときのフォームに近いため、前者の打ち方よりも強い球を打つことができるので、実戦向きである。その代わり、この「包丁持ち」は、うまくなるまでは空振りが多い。そのため、いざコートに立ってシャトルを見ると、ついつい当てなければと思う気持ちから、前者の「フライパン持ち」になってしまうことが多い。 翻訳でも同じことで、英文をそのまま逐語訳していくやり方が「フライパン持ち」にあたる。簡単だし、とっつきやすいのでついついそのようにしたくなりがちだが、そのような癖が一旦ついてしまうと、あとで矯正することがむずかしくなり、途中でいつか壁にぶちあたることになりかねない。翻訳家として世に出るためには、最初は空振りしても、失敗しても、ひたすら最終的にめざすゴールだけを考えて練習しなければならない、それには著者の提唱する「包丁持ち」、つまり最初から本来の日本語で表現するように翻訳する練習を積む以外にはあり得ない、と説いている。 「コンピュータのオペレーティング システム、ソフトウェア プログラム、およびハードウェアの利用可能な最新の更新を入手してください。Windows Update は、コンピュータをスキャンしてお使いのコンピュータのためだけに選ばれた更新を提供します」などと平気な顔をして書いているどこかの会社の担当者に、この本を読ませたくなった。

  • すっかりご無沙汰

    ブログの更新も、とうとう1週間以上さぼってしまっていた。 先週は栃木方面に1泊2日の温泉旅行に出かけていたのだが、帰ってくると途端に風邪を引いてダウンし、さらにはこの1週間、別件でとあるWebサイトの製作に取り掛かっていたということで、書くネタには事欠かないのだが書く時間がとれないという状態であった。 仕事で忙しいワケじゃないというのが少し悲しいのだが。

  • トワイライト・サムライ

    TV地上波で初公開されたアカデミー賞ノミネート映画「たそがれ清兵衛」(TBS 21:03~)を見た。 真田広之演じる、妻に先立たれ、内職をしながら幼い娘二人と年老いた母親を養う貧しい平侍の物語。ある時、その剣の腕を買われ、ある人物を殺すよう藩から特命を受ける。その人物もまた剣の達人。果たし合いに行けば逆に命を落とすかもしれない。残される幼い娘たち、そして密かに思いを寄せる女性(宮沢りえ)との出会い、別れ、そして再会……。それぞれの人物の葛藤や心の動きが、抑制のきいた演技の中にもしっかりと描かれていた。最後の岸恵子の独白と井上陽水のエンディングテーマが心を搏つ。 決してハッピーな結末ばかりでもなかったのだが、見た後で心温まるものが残った。きめ細かで美しい映像の作りで、いかにも日本人の琴線に触れそうなストーリー展開だったが、アカデミー賞の選考で一、二を争ったほどなのだから、感動したのは日本人だけではないのだろう。良い作品は誰にとってもやはり良いのだ、と再認識させられる映画だった。 たそがれ清兵衛 公式サイト Twilight Samurai Review

  • スチュワーデス制服博物館

    松本空港ターミナルビルに、内外航空会社18社が現在使用している女性客室乗務員の制服を一堂に集めた「キャビンアテンダント制服ミュージアム」を開くとのこと。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040305-00000174-jij-pol 入場料は100円。10時~17時。5月30日までの期間限定。水曜日休館(休日除く)。 松本空港ターミナルビル 松本空港 松本空港への交通 松本空港発着航空ダイヤ 日本航空 全日空

  • PermalinkのURLをカスタマイズする

    Movable TypeのPermalinkのURLを http://~/archives/数字.html という形ではなく、好きな名前に変える方法である。 Permalinkを変更(Chitatopops) MovableTypeのページ分割/Permalinkの変更(ARTIFACT -人工事実-) 「ひめみこ*WEB」のほうでさっそくためしてみた。ページ構成が変わっているので、各ページに直リンクを張っている方はチェックしていただけると幸いである。

  • 夢一夜

    朝の通勤電車。僕はつり革に両手でつかまって立っていた。 左隣には、通学中の女子高生が立っていた。僕はその女子高生とふとしたことで目が合ってしまった。肘か何かが当たったのかもしれない。すると、その女子高生は急に顔色を変え、怒ったような顔をして電車の運転席に向かっていった。僕は慌てた。ひょっとしたら、あの女子高生は僕のことを痴漢か何かと勘違いして、乗務員を呼びに行ったのかもしれない。このままだと痴漢の濡れ衣を着せられてしまう! 僕は前に立っていたオジサンに目撃者になってもらおうと考え、「今、僕、あの子になんにもしてないですよね! ずっと両手はつり革につかまってたし、大丈夫ですよね?」と話しかけた。いざというときはこの人に証言してもらおうと思った。オジサンは「ああ、そうだよ。大丈夫だよ」と同意してくれた。 しばらくして、運転席から乗務員を連れて女子高生が戻ってきた。乗務員はすごく険しい表情で僕のほうを見ている。絶体絶命。でもいざというときの目撃者も確保できたし、あとはなるようになれ、そんな覚悟を決めると、乗務員と女子高生の2人は、急ににこやかな表情に変わって僕に親しげに話しかけてきた。どうやら誤解が解けたらしい。ふーっ、危ないところだった。 ……そこで、目が覚めた。寝汗をびっしょりかいていた。 その日の朝、3人の警察官にわきを固められて、ズボンの背中のところをがっちりと掴まれたまま連行されていく若い兄ちゃんを見た。痴漢をやったんだったら、たのむから氏んでくれ。オマエみたいなヤツのせいで、こっちは毎日肩身の狭い思いで電車に乗ってるんだ。僕は本気で、そう思った。