上京して1年 — 見たもの,気付いたこと

僕が初めて東京に出てきたのが,1998年の8月1日のことで,今日でちょうど丸1年になる。
賄い付きの寮で食事の心配はいらないとはいえ,僕にとってはこれが初めての一人住まいで,1年間,衣食住にわたって生活面でとても新鮮な体験をさせてもらった。

地方の人間にとって,東京という街は,憧れ半分,やっかみ半分で,良くも悪くも話題にのぼるのだけど,特に関西の人間は,東京のことをあまり良く言わない。
やれ東京の人は冷たいとか,カッコつけとか,東京は住みにくいとか,東京の話題になるときまって悪口大会になるものだが,そうやって悪口を言う人間は,たいてい,東京に住んだこともなければ,東京のこともあまりよく知らないことが多い。

実際に生活してみると,確かに当たっているところも多いのだが,色眼鏡をかけた偏見だったりすることも多いのだ。

てことで,僕が1年間東京(埼玉)で生活して見聞した東京の実際の姿を,今まで住んでいた関西と比較しながら,箇条書きにしてまとめてみた。

  • 東京は,日本の中で一番low contextな,社会的制約の緩い場所で,どんなエキセントリックな格好をしていても,誰も何も言わない街である。
  • 東京の人は,どこにでもすぐしゃがみこむ。
  • 東京の人は,勤め先が親元から通える範囲にあっても,ある一定の年齢がくると,男女問わず親元から離れて一人暮らしを始める人が多い。
  • 東京の流行は,3ヶ月~半年遅れで関西に入ってくるようだ。
  • 東京の地形は,大阪と違ってアップダウンが激しく,丘や坂が多い。
  • 東京はわりと緑が多いし,公園も多い。
    山手線の内側でさえも,山あり森ありで,変化に富んでいる。
    都内には(本土に限っても)原生林も,2000メートル級の山もある。
  • 関西の人は派手・・・そんなの嘘! 原宿や渋谷を歩いている若者のほうが,よっぽど派手で,エキセントリックな格好をしていますよ。
  • 東京の人はムービングウォークの上を歩かない・・・そんなの嘘! 大阪と同じように,みんな歩いてますよ。
    ただ,大阪との最大の違いは,「ムービングウォークの上を歩かない人がいる」ということだね。
    歩かない人は,左側に寄ってるし。
    大阪だと,まず突き飛ばされるけどね。
  • 東京は,全体的に公共交通機関の利用料金が安い。
    ただし,安いということはQoSもそれなりで,信号故障や車両故障はしょっちゅう起こるし,またひとたびトラブルが起こるとすぐ全線不通になる。
  • 東京の電車は,ラッシュで混んでくると,乗れないことがある。また,降りられなくなることがある。
  • 東京の雑踏の特徴は,人の歩く速さや方向がてんでばらばら。
    なので,まっすぐ歩けないし,人のフローを横切るのも難しい。
    また,急に速度を速めたり,急に立ち止まったり,急に方向転換する人がいて,ぼーっと歩いているとぶつかりそうになる。
  • 東京のタクシーは,オレンジや緑や黄色の派手なペイントがしてある。
    しかも,オートマ車が多い。
    ただし,郊外に出ると,地方と同じ黒塗りのタクシーになる。
  • 東京の車は,夜,信号待ちで止まっているとき,ヘッドライトを消さないことが多い。
  • 東京の車には,FMラジオ局のステッカーなどは貼らないようだ。
    (関西では,たいがいの車にFM802とかKiss-FMのステッカーが貼ってあって,たまたまラジオ局の車の前を通りかかったりすると,景品がもらえたりする)
  • 東京には,米軍基地があり,外人も多い。
    しかも,黒人や,マイノリティも多い。(関西にはほとんど白人か在日韓国人しかいない)
  • 東京の店は「支那」「朝鮮」などの差別用語を平気で掲げている。
    (例:「支那そば」「豚肉の朝鮮焼」)
    まあ,知事自身が公言してるぐらいだから(爆)・・・
    関西だと,そんな店はまず間違いなく焼き打ちにあうだろうけど。
  • 東京で,何のことわりもなく「肉」というと,豚肉のことをさす。
    東京で牛肉を食べるのは至難の業である(単に私が金ないだけだが)
  • 東京のゴミ袋は,炭酸カルシウム配合の半透明のゴミ袋と決められている。
    そのゴミ袋は,家からゴミステーションまで運ぶまでに破れない程度の強度しかないので,ひとたび出されたゴミは,ものの5分もしないうちにカラスの餌食になって原形をとどめなくなる。
  • 東京のカップルは,人目かまわずキスする。
  • 東京の駅のコンコースにはどういうわけか柱が多く,そこの陰にたいていカップルがはりついていて,いちゃついている。
  • 東京の交番には,必ず警察官が1人はいる。
    長い警棒を持って,交番の前に立っていることもある。

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