マムシパワー!

足利からさらに西へ行き、渡良瀬川を渡ると、群馬県に入る。こちらは足利尊氏の敵にあたる新田義貞の所領だったところである。さらにしばらく行くと、藪塚という所に出る。ここは新田義貞の隠し湯と言われる温泉街なのだが、そこに、日本蛇族学術研究所という、ヘビ類を専門に研究をしている施設がある。そこに併設されているジャパンスネークセンターでは、一般向けにヘビの展示などを行っており、レストランではマムシ料理が食べられるのだそうな。ということなので、”マムシ料理”という言葉につられた僕は、面白そうなので行ってみることにした。
Japan Snake Center
写真からでは感じ取りにくいが、実際に入り込んでみると、なんか宇宙人の研究でもやってそうな、怪しげな雰囲気。この入り口にたどり着くまでに、うっそうとした山道を踏み分けていかなければならない。でもこういう雰囲気大好き。入ると、売店のようなところで入場料を払い、売店の中を突っ切る形で敷地内に入る。売店には赤まむし粉末やまむし酒などの、いかにも精力絶倫になりそうなアイテムが勢揃い。なかなかステキ。
僕は、実は昔からマムシには目がないのだ。中学生ぐらいのころ、たまたま家に置いてあった雑誌に載っていた、マムシドリンクを宣伝する雑誌の広告を拾い読みして以来、マムシ系の飲み物にとても興味を持つようになった。その広告とは、こんな内容だった。

アンケート調査でみる男の魅力、女の魅力とは。

男女の魅力やセックスについて質問したおもしろいアンケートをご紹介いたしましょう。
アンケートで、「1ヶ月でせいぜい2回」と答えたのは40代の男性。
「せめて1ヶ月に4回は…」と答えたのは同世代の女性。
これは、40代夫婦の希望する平均セックス回数。
「せいぜい2回」と「せめて4回は」との違いを見せたのですが、男性側の回答には、いささか義務的感覚があります。それに比べて女性側には、「亭主なら⋯。せめて月4回ぐらいは、満足したいわ!」という願いがこもっています。
え、だれですか。強迫じゃないか、とおっしゃるのは。
もう1つ、変ったアンケート調査。
「どんな異性に魅力を感じますか」という質問に答えた総合回答をご紹介しましょう。
「よく気がつき、身のまわりの世話をしてくれて、でしゃばらない」これは40代男性の回答。
「強さ。たくましさ。やさしさ。経済力とスリリングさ」これは40代女性の回答。
男は、やっぱり強くなくちゃ魅力がないのですね。
さて、その「強さとは何か」についてのアンケートもあるのでお知らせしておきましょう。
1位、「セックスが強いこと」男女ともに72%。
2位。「逆境にも負けない意志力と体力」男女ともに64%。
このあと、仕事ができること、経済力、健康なことと続きますが、いずれも男女の回答は20〜30%以内という低迷ぶり。
つまり、セックスが強く、体力があって意志の強さこそ、「強さ」のシンボルということになるようです。
そういえば昔から、「朝立ちを見て金を貸す」などということわざがありますが、真の強さとは、古今東西セックスの強さに象徴されるようです。

女を振り返らせる男、男をひきつける女ほどなにごとにも積極的で自信がある。

ある大手建設会社がアフリカの大工事を引き受けました。主任技術員を選ぶことになって、ちょっと変ったテストをしたそうです。
そのテストとは、1日20時間働いて、その後にセックスをすること。これを一週間続けてできた者が1次合格者。2次試験はもっと過酷。
氷室で4時間作業をし、その後にセックスをすること。
この2つのテストに合格したのが、なんと当時38歳になる、矢島俊という一級建築士。彼は、一介の現場責任者だったのですが、このテストに合格し、アフリカに派遣され、6年10ヶ月かけて、砂漠の中に一大農園をつくる現場責任者の任務を果たしたそうです。砂漠に農園をつくるという作業は実に過酷で、数百kmに及ぶ地下水道をつくり、数百tの土を運び、夜の冷え込みにそなえて、太陽熱をたくわえる。その他に、出荷にそなえる各種の整備、道路づくりなど、それこそ国家的な大事業だったのです。
2つのテストは、共通してその意志力を確かめるもの。力は体力がないといかんともしがたい。体力があってこそ強い意志力が生れるのだが、その体力は、過酷な作業を終えたあとでも、女性を完全に喜ばせるだけのセックス力がなければだめ、というのが、このようなテストをした理由だったそうです。
2つのテストと6年10ヶ月の重労働を乗り切った矢島氏は、その秘密をこんなふうに語っていました。
「秘密はへび。とくにマムシを毎日食べました。マムシの生血を飲み、肉は、焼いて食べました。とくに効果的だったのは氷室での作業のとき。他の人は、からだが冷えて、体温が放散するからすぐ疲れてしまう。だが私は、マムシの生血を酒と一諸に飲んでいたから、冷えや寒さをそれほど感じないし、それにいつもからだの芯が燃えているみたいでした。その感じは氷室から出ても同じ、むしろ外のほうが気温が高いから、からだがカッカと燃えてくる。それをセックスで鎮めるという具合でした。この経験は、アフリカでも大いに役立ちました」
アフリカから帰国した矢島氏は、ある企業家に見込まれ、いまでは建設会社をまかされて社長となり、グイグイと業績をのばしていますが、やはり、男はシンボルと同様、心身ともにボッキしなければものの役には立てないようです。

意志と自信が裏づけとなってホルモン分泌が盛んになる。性欲はこの両者のリズムと調和で強さが決まる。

性欲というとセックスの強さ・弱さを連想する人が多いようだが、これは性欲の一面でしかありません。
もともと性欲は生きる力の根源です。男が美しい女性を見て、魅力を感じ、振り返って声をかけたり、お茶に誘ったりするのも性欲のなせる技ですし、精悍で行動的な男性に出会って競争心を燃やすのも性欲の作用によるものです。このときに働くのが男性ホルモンです。男性ホルモンは、このように男としての行動や生きる根源的な行為を司どるホルモンです。
このホルモンは、脳の視床下部にある中枢で制御され、分泌されます。だが、同時に意志や自信などの感性によってもその分泌と作用がコントロールされます。
意志の弱い自信のない感性が起これば、分泌量は少なく、作用も効果的ではありません。反対に自信があり意志が強ければその行動は男のもつ特徴的なものになります。
そのいい例が女性に大量の男性ホルモンを注入した場合です。マウスでの実験ではメスのマウスがオスの上に乗りかかり、メスを求めるしぐさをオスに対してします。
男性に女性ホルモンを大量に注入するとマウスでの実験では、オスの行動は完全に本来のメスの行動と同じ行動を取ります。
このような実験を通して言えることは、男の自信、たくましさは男性ホルモンの正常な分泌と作用によってつくられるものであり、その総合された魅力が男のセックスアピールとなって現われてきます。
女が男に感ずる魅力は、こうしたものが本来の姿だとも言えるでしょう。
逆のいい方をすれば、男が魅力を感ずるような男、女が魅力を感ずる男とは、その感じ方に質の差があっても同じもの。
その魅力とは、精神面とホルモンの分泌と作用というからだの生理的な面の両方のリズムが合致してはじめて輝いてくるものです。

珍重されているマムシの科学的効果。驚くべき速効力のマムシアンプル液。

重労働が続くと、からだの中に不足してくるものは酵素。それに栄養分。とくに重労働では脂質がスタミナ源としてつかわれますがこれは酵素と体温がないと燃えません。
ところがマムシの血液やタンパク質の中に含まれているある種の酵素は、低温で脂肪を溶かし、エネルギーにかえる能力があります。
マムシのセックスは6時間から10時間にも及びます。記録としては30時間に及んだものもあります。
よく、こんなに長時間も体力がもつものだと思いますが、その秘密は低い温度でも体内の脂肪を分解して熱源として利用できる酵素をもっていること。それに抹梢血管を拡大して血流をよくする生理活性ペプチド(アミノ酸2分子からなる総合体)が5種類以上あるからです。
人間のからだでは、主に糖質と脂質をエネルギー源にしています。糖質は無酸素の状態でしかも低温でも使えますが、そのつかわれ方は、爆発的な力がいるときで、持続性がありません。
脂肪は、酵素と体温がなくては燃えませんが、かわりに持続力が強いのです。
氷室での作業やセックスでは、なによりも強い持続力と血行促進が必要で、それには脂肪エネルギーが最適なのです。ところが疲労したり、氷室に入ったりすると、体温が下り、血流がよどみます。こうなると、セックスも作業能力もみるみる弱ってきます。
そんなときに、低温でも脂肪を分解し燃やせる酵素の入ったマムシを食べると臓器が活発に作動し、血行が盛んになります。矢島氏のいうように、からだの芯が燃えてくるわけです。
特に疲労がはげしい時や、早急に体力をつけたい時に有効な、マムシと相乗効果の高い朝鮮人参等のエキスの入ったアンプル液や、カプセル剤も開発されており、絶大な効果を発揮しています。
マムシの有効成分の吸収がよくなればエネルギーの代謝は盛んになり、血行も促されるので、意欲がわき、自信もついてきます。
こうなれば鬼に金棒で、どんなことでもできるようになります。その現われの一つがセックスというわけです。
精力とは文字通り、生きる力ですが同時に性力にも通じるものです。海綿体に充血してこそ男として役に立つわけですから、その源である精力をマムシが養ってくれるなら、これは男の至上の喜びとなるわけです。
                         薬用マムニックゴールド
                         (30カプセル)3,500円
                         ネオタンセイ
                         (20cc)1,000円

ざっと、こんなことが書かれていた。今読むと、いかにも男性側に都合の良い文章で、女性陣が読むと怒り出しそうな気もするのだが、そういうことに興味津々の年代のときに読んだものだから、それ以来、駅の売店やスーパーなどで赤まむしドリンクなど買ってきて、いろいろな妄想をしながら飲んだりしたものだ。一度、買ってるところを友達に見つかって、それ以来ずっと学校中でネタにされたこともあったなあ。
※別にこれを飲んでクラスの女子に対して何かした、とかではないので。念のため。
それは置いといて、ジャパンスネークセンターの中に入ってみると、10万匹以上の蛇の展示や、ヘビ類の体の構造の解説などの展示があり、理系の僕にはとても興味をひかれるものが多かった。勃起したペニスが腹から突き出している蛇の展示もあった。
強烈だったのが、ハブに咬まれた腕の組織が壊死し苦しんでいる患者の写真。はっきり言ってしまえばグロ画像なのだが、毒蛇に咬まれるということは、毒が体を回って中毒を起こすだけではなく、咬まれた部位がボロボロに壊れていくということなのだということを見せ付けられた。世界では、このようにして毒蛇に咬まれて亡くなる人が後をたたないとのことで、そうした人々をできるだけ救うための研究をするということも、この研究所の目的の一つとしてあるのだという。ここの入場料は1000円と少し高めなのだけど、こうした崇高な活動の足しにもなっているとのことで、我慢できる金額といえるだろう。建物の中が汚めで臭いのはちょっといただけないが。
White snake Kannon Buddha statue
白蛇観音。研究の過程で犠牲になったヘビたちをまつっているのだとか。近くには、まむし酒で有名な地場の「陶陶酒本舗」の酒蔵もある。
さてひととおり見て回ったあと、レストランに入りマムシ料理をいただくことにした。マムシの唐揚げ1000円から、6000円以上もするフルコースまで、いろいろなメニューがある。とりあえず1000円の唐揚げを頼んでみたが、小さい皿に唐揚げがたったの4切れ。とても腹の足しにはならなかった。
最後に、売店に立ち寄り、赤まむし系のアイテムを物色する。売店のおねいさんは10年ものの藪塚限定陶陶酒をすすめてきたが、5000円ぐらいしてちょっと財布には優しくないので、それではなく1300円の安い陶陶酒を買った。
スネークセンターを出て山道を下りると、ナカゼンという食堂があり、そこでもマムシ料理が食べられるらしい。さっきの唐揚げ4切れではとても物足りないので、金を下ろし、そこに入ってみた。そこもいろいろとメニューがあるのだが、2500円のマムシ定食が一番手ごろそうなので、それを注文する。ハンバーグ状に調理したマムシに、スッポンで作ったタレがかかっていて、食べるとちょっと鼻にツンとした刺激がしていかにも精力剤っぽい。食べ終わったら、器に残っているスッポンのタレにお湯をかけて薄め、スープにして飲むものだと、店のオヤジさんが言った。
すっかりマムシを満喫していろいろ元気になったような気がしたが、このあと何をするあてもないのがちょっと寂しい。ふと、上の広告を思い出し、あのアフリカ行きの試験、パスしなくていいから試験だけ受けてみたいなあと思ったりしたのだった(爆)。昼間の重労働は適当にサボリながら、夜の試験だけ真剣に頑張る、と。アホ過ぎる……。
※ちなみに上の広告、陶陶酒本舗の広告だとあとで知った。
【関連サイト】
百科図鑑
Bling Bling Online 珍味遊記

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